最近の話題 2009年5月23日

1.25TFlopsの日立スパコンが九大センターで稼動開始

  2009年5月19日に日立は,九大情報基盤センターのSR16000システムが稼動を開始したと発表しました。このシステムは4.7GHzクロックのPOWER6プロセサを16個搭載するSR16000 L2をノードとし,42ノードを計算ノード,1ノードをフロントエンドとするシステムで,ピーク性能は25.267TFlopsとなっています。計算ノードのメモリは128GB,フロントエンドは256GBのメモリを搭載しています。そして,これらのノード間を4GB/sx2のInfiniBandで結合しています。

  従来,九大センターに設置されていたSR11000をリプレースし,性能は8.3倍になったとのことです。

2.IntelのTukwilaは2010年に遅延か

  2009年5月21日のThe Registerが,Tukwilaが再度遅延と報じています。Intelは5月26日に発表を予定しており,Tukwilaについても発表すると見られていますが,主題は8コアのNehalem EXとのことです。

  Tukwilaですが,掲載されたIntelのステートメントによると,アプリケーションのスケーラビリティーを改善するための改善点が発見され,出荷は2010年1Qになるとのことです。Tukwilaは2008年2月のISSCCで発表されており,この時,既に最初のチップは出来ていたわけで,メモリインタフェースの内蔵,QPIの採用と大きな変更があったとは言え,それから出荷まで2年は,かなり苦戦をしていると思われます。

  なお,Intelとの共同開発で自前のPA-RISCからItaniumに乗り換えたHPはItaniumから離れられそうにありませんが,他社は,すでにItaniumを見限っているか,製品を販売しているメーカーもTukwilaベースの新製品については沈黙している状況で,ItaniumはHP向けのプロプライエタリのプロセサになったと書いています。

3.スパコンが碁でプロ棋士に勝利

  ちょっと遅ればせですが,2009年5月14日のHPC Wireが,2月10日〜13日に台湾で開催されたTaiwan Openで,オランダのHuygensスパコンが,7目置いて台湾のプロ9段に勝利,6目置いてプロ初段に勝利し,世界記録を樹立したと報じています。

  ChessでDeep Blueが人間のチャンピオンに勝って以来,研究は碁に移り,2006年にMonte-Carlo Tree Searchというアルゴリズムが開発されて,急速に強くなったということです。6目,7目は大きな差なのでしょうが,人間の脳力は万年単位でしか進化しないのに対して,電脳力は1〜2年で倍増してしまうので,この差は遠からず,逆転されてしまうのでしょうね。

 

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