最近の話題 2009年12月26日

1.Intelが次世代Atomを発表

  2009年12月21日にIntelはPinetrailの開発コードで知られていた第二世代のAtomプロセサを発表しました。製品としては,モバイルのNetbook向けのN450と,ローコストのデスクトップ向けと称するD410とD510の3種があります。これらの第二世代のAtomはIntelの45nm Hi-K Metal Gateプロセスで製造されます。

  発売は2010年1月4日となっていますが,ASUSのWebなどでは,既にN450ベースの製品が載っています。

  第一世代はAtom CPUとMobile 945GSE Express,ICH7Mと3チップ構成でしたが,第二世代では,CPUチップにメモリコントローラとグラフィックスチップの機能を内蔵し,Atom CPUとNM10 Expressという1個の周辺チップだけの2チップ構成となっています。このため,ネットブックでは消費電力が20%減少し,フットプリントは60%減少し,小型でより薄いネットトップを作ることが出来ると述べられています。

  N450のクロックは1.66GHzで,L2$の容量も512KBと第1世代のN280と同じです。メモリはDDR2-667とこれも同じですが,メモリコントローラを内蔵し,メモリが近くなった分,性能が上がっていると思われます。また,内蔵のグラフィックスコアのクロックは200MHzで,945GSEの166MHzから約2割向上しています。N450のTDPは5.5Wで,NM10を加えて,合計で7Wということで,従来の3チップ合計の11.8Wと比較すると約40%減少しています。

  D410はクロックが1.66GHz,L2$は512KBですが,メモリがDDR2-667/800と800MHzのメモリが使えます。また,内蔵グラフィックスのクロックが400MHzに上がっています。ということで,TDPは10Wとなっています。そして,D510はデュアルコアで,キャッシュは1MB(各コアに512KB)で,メモリはDDR2-667/800,グラフィックスのクロックは400MHzで,TDPは13Wとなっています。

    IntelのサイトにパッケージとN450のチップ写真が公表されていますが,N450のチップサイズは68mm2程度と思われます。第1世代のSilverthorneが24mm2程度であったのと比較すると3倍近いチップサイズです。チップ写真でみても,AtomのCPUは左下の1/4程度で,グラフィックスプロセサと思しき部分が半分程度の面積を占めています。デュアルコアのD510は84mm2程度で,N450よりも16mm2程度大きくなっています。これはN450チップの中でAtomプロセサが占めている面積とほぼ一致しており,話が合います。

  2009年12月22日のPC Watchによると,Intelは第1世代のAtomの受注を2010年1Qで終了し,早急に第二世代に移行させる戦略だそうです。また,現在ではDDR2メモリしかサポートしていないが,DDR3サポートが可能な設計となっており,近い将来,DDR3もサポートされると書いています。

2.NVIDIAはFermiのSP数を削減

  2009年12月21日のSemiaccurateが,NVIDAがFermiのStream Processor数を512から448に削減と書いています。確かに,NVIDIAのC2050とC2070ボードのドキュメントでは,448SPになっています。クロックは1.25GHzから1.4GHzとなっており,ピークの倍精度浮動小数点演算性能は,560〜627.2GFlopsとなります。 そして24個のGDDR5メモリを搭載したボードの消費電力は225Wとなっています。

  Semiaccurateは,64個のSPを止めてもやっと225Wと消費電力が大きく,2009年12月16日の記事では,Oakridge国立研究所のJaguarの将来世代でFermiを使うという話はご破算になったと報じています。

  そして,$2499と$3999というGPUボードより1桁高い値段のボード用のチップでも2クラスタを殺さないと良品がとれない状況では,量産のGPUボードはどうなるのか。Fermiは時期が遅れ,性能が低く,発熱が大きく失敗作で,GPUとしてはAMDに勝てないと結論付けています。

@695922

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