最近の話題 2010年8月7日

1.HPのMark Hurd CEOがスキャンダルで辞任

  2010年8月6日にHPはMark Hurd CEOが辞任し,CFOのCathie Lesjak氏が当面,CEOを務めると発表しました。

  辞任の理由ですが,以前,HPのCEO室で働いていたマーケティング関係のコントラクターの女性からセクハラの訴えが出され,HPが調査した結果,HPのセクハラ規定には抵触しないが,HP’s Standards of Business Conductに違反していると判定したと書かれています。Hurd氏もこれを認め,辞任することにしたということです。

  服務規程違反ですが,2010年8月6日のCNETによると,その女性の経費などで不正な支払いがあったとのことです。

  日本の会社だったら,示談にしてもみ消しそうな感じですが,HPの場合,女性から訴えが出されたのは6月の後半で,役員会にそれが上げられたのは6月29日とのことで,非常に素早い対応です。

  Hurd氏は2005年にCEOに就任してからHPの立て直しに功績があったのですが,こんな形で辞任することになったのは驚きです。後任のLesjak氏はInterim CEOで,HPはCEO探しを開始するとみられています。また,法律違反などによる解雇ではないので,(契約に従って)Hurd氏は,$12.2Mの退職金とストックオプションなどを受け取るとのことです。

2.Oracleが旧SunのHPC部隊をレイオフか

  2010年8月5日のThe Registerが,Oracleが旧SunのHPC営業の大部分の人員を先週レイオフしたと報じています。また,残っている人もHPCではなく,ExaData V2の販売に回されているそうです。

  これ以上の情報は無いのですが,HPのx86マシンへのSolaris OEMを切り,IBMもx86 Solarisを止めるという報道が流れており,Oracleは手間の割に儲からない商売をたたみに掛かっているようです。

  Sunが入れた東工大のTSUBAME1.0は2.0への切り替えで撤去に掛かっているところだし,それ以外には国内ではSunの大きなHPCシステムは無いので,多分,あまり影響はないと思われます。

3.Hot Chips 22での注目発表

  8月22日からスタンフォード大で恒例のHot Chipsが開催されることになっており,そのプログラムが発表されています。

  プロセサチップ関係は,7月24日の話題で紹介したIBMの新メインフレームのCPUチップの発表,そしてAMDからBulldozerコアとBobcatコアの発表が行われます。また,Intelからは20スレッド(つまり10コア)のWestmere EXが発表されます。

  そして,中国の科学技術院からGS464Vと呼ぶ,512ビット幅のベクタ演算拡張を持つ高性能,低電力のXPUという発表が行われます。この題名から推測すると,スパコンなどのアクセラレータのような感じです。

  また,別セッションですが,マイクロソフトの新Xbox用のSoCが発表されます。

  それから,姉妹カンファレンスのHot Interconnectがあるのですが,Hot ChipsでもInterconnectというセッションが設けられ,富士通からは次世代日の丸スパコンのインタコネクトチップであるICC,そしてIBMからBlue Watersに使われるとみられるHubチップが発表されます。なお,Hot Interconnectは例年,Hot Chipsの後に続けて開催されるのですが,今年は8月18日から20日とHot Chipsの直前という日程になっています。また,昨年はニューヨークでの開催だったのですが,今年は,スタンフォード大に戻りました。

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