最近の話題 2011年3月12日

1.M8.8の巨大地震で東北地方に大被害

  2011年2月11日に発生したM8.8という我が国観測史上最大の地震とそれによる津波で,東北地方は甚大な被害を蒙りました。被災された方には,心からご同情申し上げます。

  この地震でKDDIの海底ケーブルが切れたという情報があります。国内の電話も輻輳からかかりにくい状況ですが,海外との通信バンド幅にも影響がありそうです。

  また,東北各県では電力供給が止まっており,岩手県の北上市の東芝の半導体工場や岩手県金ヶ崎町の富士通の半導体工場も操業を停止しています。また,東北にはルネサス,ローム,FreeScaleの半導体工場もあり,これらの工場も止まっていると思われます。

2.ハーバード大のValiant教授がTuring賞を受賞

  コンピュータ界のノーベル賞と言われるチューリング賞ですが,2011年3月9日にACMは,マシンラーニングの数学的な基礎を築くという顕著な業績を上げ,AIや自然言語理解などの進歩をけん引したハーバード大のLeslie G. Valiant教授が受賞と発表しました。賞金は25万ドルでIntelとGoogleがお金を出しています。

3.AMDが3QにEシリーズAPUを追加か?

  2011年3月8日のXbit(http://www.xbitlabs.com/news/cpu/display/20110308052631_AMD_to_Refresh_E_Series_APUs_Lineup_in_the_Third_Quarter.html)がAMDが3Qに3種のEシリーズAPUを発売すると報じています。

  追加されるのはE2-3250,E-450,E-300の3種で,E-450とE-300は現在のE-350と同じBobcat2コアで40nmプロセスで製造されTDP 18Wですが,ハイエンドのE2-3250はHuskyコア(Llanoのコア)を使用し32nmプロセスで製造され,TDP 65Wとなっています。2次キャッシュは,3種とも1MBとなっています。

  E-300は現在のE-350と同じ2CPUコア+80GPUコアの製品ですが,CPUクロックが1.6GHz→1.3GHz,GPUクロックが492MHz→488MHzと低下しています。しかし,E-350と違ってターボがエネーブルされているのでチップ温度に余裕があるシングルコア動作の場合は,E-350より速くなる可能性もあります。

  E-450はCPUクロックが1.65GHz,GPUクロックが508/600MHzとなっています。E-350と比べるとCPUクロックの改善は僅か0.05GHzですが,これもターボがついているので速くなる可能性があります。GPUは80コアですが,E-350以下ではHD6310となっているのに対して,E-450はHD6320となっているので,その他の点でも違いがある可能性があります。また,E-450はDDR3-1333をサポートしています。

  ハイエンドのE2-3250はBobcatコアではなく,LlanoのHuskyコアを2コア搭載し,GPUは160コアのHD6370となっています。CPUクロックは未定で,GPUクロックは433MHzとなっています。そしてメモリはDDR3-1600をサポートしています。

4.SGIが日本SGIを100%子会社に

  Silicon Graphics Inc.は科学技術計算の可視化などのグラフィックス処理に強く,日本SGIは,可視化の機能を含めたスパコンシステムを国内で販売していましたが,2011年3月10日に日本SGIは,米SGIの100%子会社になると発表しました。

  日本SGIは,昔のSilicon Graphics Inc.が倒産した時に,NECなどが日本SGIに出資して60%の株を保有し,直近でもNECが33%,NECソフトが16.5%の株式を保有しており,実質的にNECの子会社になっていました。そして,米国SGIの保有は10%強に下がっていました。

  それが,このほど,NECや10%を保有するソニーなどが持ち株の米SGIへの売却を決め,米SGIの100%子会社になるとのことです。2011年3月8日の日経新聞の電子版によると売却額は40億円程度とのことです。

  

  

 

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