最近の話題 2011年4月2日

1.MIPSが64bitマルチスレッドコアの開発を発表

  2011年3月27日のEETimesが,今年の秋に,MIPSが64ビットアーキテクチャの合成可能なコアを発表すると報じています。詳細は明らかになっていませんが,Prodigyファミリと呼ばれるこの製品には2種類の製品があり,1種類は1命令/サイクル実行のシングルコア用で,もう1種は2命令/サイクル実行のマルチコア版と報じられています。

  組み込みコア市場の2/3のシェアをもつARMは,Cortex-A14で物理アドレス空間を拡張しましたが基本アーキテクチャは32bitで,MIPSとしては64bitアーキテクチャのコアの提供で先を越して,現在,16%のシェアを引き上げようという戦略です。

2.QuantaがTileraベースの512コアサーバの出荷を開始

  2011年3月28日のThe Regiserが,Quanta社の,Tilera社のTilePro64プロセサを8チップ搭載し,合計512コアを2Uの筐体に収容した薄型サーバの出荷開始を紹介しています。

  Quantaは業界では有名なOEM/ODMでラップトップPCやサーバを大量に作っているメーカーですが,大半はOEM先のブランドで売られています。しかし,このTilePro64を使うQSSC-X5-2Qと呼ぶサーバは自社ブランド製品です。TilePro64はTileraq社の64コアプロセサで,2008年9月27日の話題で紹介しています。また,このサーバはプロトタイプであるSQ2サーバの後継と書かれています。SQ2サーバについては2010年6月26日の話題で紹介しています。

  TilePro64のクロック周波数は900MHzとなっていますが,このサーバでは667MHzと接続されるDDR2メモリと同じ周波数になっています。

  基本的にはQSSC-X5-2QはSQ2と同じもののように見えます。1年半前に発表されているのですが,実質的には出荷されていなかったようです。なお,Tileraは正式には発表していませんが,TileProプロセサはMIPSアーキでx86とは命令互換はなく,gcc,gcc++などの開発ツールやLinux OS,NoSQLやHadoopなどのアプリケーションをQuantaとTileraが移植したとのことです。

3.Ivy BridgeはPCI express 3.0をサポート

  2011年3月28日のSemiAccurateがIntelの次世代CPUであるIvy Bridgeのスライドを掲載しています。Ivy Bridgeは現在のSandy Bridgeを22nmプロセスにシュリンクするものでアーキテクチャ的には大きな変更はないのですが,CPUからGen 3のPCI Express X16が出ることになっています。また,グラフィックス側はDX11とOpenCL 1.1をサポートとなっており,機能アップしたGPUになっているようです。

  そしてPanther Pointチップセットは正式にはIntel 7 Seriesと呼ばれるようになり,USB3.0をサポートすることになっています。

 

  

 

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