最近の話題 2011年9月10日

1.AMDが16コアInterlagosを出荷開始

  2011年9月7日のEETimesが,AMDがBulldozerコア16個を(実際は8コアチップを2個一つのパッケージに)搭載するInterlagos CPUの出荷を開始したと報じています。チップは現在のOpteron 6100シリーズとおなじG34ソケットを使用します。

  Bulldozerコアは,従来のK10コアよりパイプラインのfo=4を減らしているので,クロックを上げられると見られていますが,Interlagosチップのクロック周波数は公表されていません。

  最初の出荷の大部分はスパコン向けとのことです。ということで,8月13日の話題で紹介したCrayがオークリッジ国立研究所に入れるJaguarのアップグレードに使われるのではないかと思われます。

2.Googleの消費電力は260MW

  2011年9月9日のThe InquirerがGoogleの全社の電力消費は260MWと報じています。260MWを毎日24時間使っているという数字で,一か月の電気代という点では,これの720倍の187.2GW時ということになります。まあ,一般家庭の50万軒分といったところです。

  我々がGoogleサーチを行った時の消費電力は1回のサーチあたり0.3W程度だそうです。260MWは大きいのですが,Googleを使わないで図書館などに,電車や車で出かけて調べるのに必要な消費エネルギーと比べると,サーチのほうがずっと効率的で,世界全体でみれば消費電力は減っているという考え方もあります。

  当然,Googleはサーバの消費電力を減らすことに熱心ですし,今週オープンするフィンランドのセンターでは海水を使った冷却で消費電力を減らすと書かれています。また,Mountain Viewの本社の屋上にはかなり大面積の太陽光発電パネルを載せていますし,風車の電力も買っているとのことです。それで足りない部分は排出権を買って,全社としてのCO2排出はゼロに近いとのことです。

3.Blue Gene/Q 再び

  Blue Gene/Qチップについては8月20日の話題で紹介していますが,2011年9月9日のマイコミジャーナルに拙著の記事が掲載されています。こちらは図などがあるので,分かりやすいかと思います。興味のある方は読んで戴けると幸いです。

  BG/Qチップはインタコネクト機能を内蔵しており,32枚のCompute Cardを搭載するNode Cardの中は,BG/Qチップ同志を直接,電気で繋いでいますが,昨年のSC10での写真を見ると,Node Card間は光で繋いでいるように見えます。この光モジュールは大きさからみてVCSELを使っていると思われます。Blue Watersと同じAvago社のMicroPod,あるいはもう少し大きいMiniPodということも十分,あり得ると思います。

  システムとしての光モジュールの使用個数はBlue Watersに比べると少ないのですが,それでも20PFlopsのSequoiaでは約24000個で,一説のようにBlue Waters撤退の原因がVCSELの信頼度問題だとすると,BG/Qは大丈夫か?となります。11月のSC11での展示や発表が興味津々ですね。

 

  

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