最近の話題 2013年1月26日

1.Intelがデスクトップのマザーボードビジネスから撤退

  2013年1月23日のEE TimesがデスクトップPC用マザーボードのビジネスからIntelが撤退と報じています。IntelはPC用CPUやチップセットを売るだけでなく,PC用のマザーボードも開発,製造,販売していました。主にホワイトボックスと呼ばれるPCメーカーへの販売ですが,この20年,マザーボードの販売を行ってきています。

  しかし,PCビジネス自体がタブレットやスマホに押され,PCの中でもデスクトップではなく,ノートが主流で,デスクトップのマザーボードはハイエンドのゲーマー用PCなどに限定され,売り上げも落ちてきたと思われます。そこで,Haswell用のデスクトップPC向けのマザーボードの開発を最後に,今後3年間で徐々にこのビジネスから撤退するとのことです。 一つの時代の終わりを象徴するビジネスディシジョンです。

  マザーボードビジネスは止めるのですが,マザーボードメーカーやOEMに対しては,リファレンスデザインの開発,提供は不可欠であり,これは続けるとのことです。また,デスクトップのマザーボード関係のエンジニアは他のフォームファクターの分野の開発に振り向けるとのことです。 そして,サーバ向けのマザーボードに関しては言及がなく,これはビジネスを継続すると思われます。

2.ドイツ気象庁はNECのSXをCrayのXC30に更新

  2013年1月15日のInside HPCがドイツ気象庁(Deutscher Wetterdienst)が,$23MでCrayのXC30 2システムとSonexion 1600ストレージ 2システムを導入すると報じています。1組は気象予報の本番システムで,もう一方はバックアップのシステムとなるとのことです。

  松岡先生のTweetによると,「ストゥットガルドのHLRSに続き、海外の最大で最後の大規模NEC SXのサイトであったドイツ気象庁DWDがCray XC30に代わる事となった。20億円程度でペタフロップ級のスパコン二台のようである。」とのことで,国外でのNECのベクトルスパコンのユーザは無くなってしまうようです。まあ, メモリバンド幅重視のベクトル機は割高であるのに加えて,NECは「京」の開発から降りて,製品の世代が空いてしまい競争力のある新システムの提案は難しかったと思われます。

3.Qualcommもサーバ用ARMv8 SoCの開発を準備中

  2013年1月15日のEE Timesが,ARMベースの携帯用SoCではトップメーカーのQualcommが,64bitのARMv8のサーバチップの開発を準備中と報じています。同社の求人サイトに少なくとも3人のソフトウ ェアエンジニアの求人が出ているというのがその根拠です。

  仕事の内容は,"architecture/design and system prototypes of Qualcomm's new ARMv8-based server SOC ASICs for the power optimized server market," で "Primary responsibilities include specification, development, porting, integration and shakeout of server platform management software and firmware on prototypes utilizing Qualcomm’s new SOC."とのことで,サーバプラットフォームの管理ソフトやファームウェアの開発ですが,その対象は,同社の開発する新しいARMv8のSoCと書かれています。

  ARMv8のSocの開発を伝えられているのは,AMD,Marvell,,Nvidia,Samsungなどの大手,X-Geneの開発で先頭を走っているAMCC,そしてCavium,Calxeda,などがあり,Qualcommはこれらの会社に続いていてARMサーバのマーケットに参入する意図のようです。

4. ギネスがWITCHを動作する世界最古のコンピュータとして認定

  2013年1月21日のEE Timesが,ギネスが英国のWITCHを現在でも動作する 世界最古のコンピュータとして認定したと報じています。

  WITCHは1951年に作られ,1973年まで稼働しており,当時も世界最古の動作するコンピュータとして認定されていたのですが,1973年に稼働を停止していました。しかし,このほど,Bletchley Parkで整備しなおされて動作を開始し,世界最古の動作するコンピュータのタイトルを再獲得したとのことです。

  WITCHは828本のDekatron(10進カウンタの真空管),その他の真空管131本,480個のリレー,表示用の199個のランプなどから構成され,サイズは2m×6m×1mで重さは2.5トン,消費電力は1.5kWとのことです。主要素子のデカトロンは希ガスの放電を使うカウンタ 機能を持つ真空管(正確には真空ではないが)で,それほど高速ではないと思いますが,どの程度の性能かは書かれていません。

@1088357



 

  

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