最近の話題 2013年2月16日

1.Intelが次世代Itanium Kittsonの定義を見直し,Poulsonのマイナーチェンジに変更か

  2013年2月8日のThe Registerが,1月31日のIntelのWebサイトへの発表を報じています。

  1月31日の発表では,「Intelは次世代のKittsonの定義をアップデートし,Kittsonは32nmプロセスで製造し,Intel Itanium 9000/9300とソケット互換とし,性能向上,投資の保護,切れ目のないアップデートパスを提供することにしました。また,XeonとItaniumの共通ソケット化は将来の機会に評価します」と書かれています。

  従来,22nmで製造するとしていたKittsonを,現在のPoulsonと同じ32nmプロセスでの製造に変え,Xeonと共通マザーボード化はKittsonでは行わないという発表です。Poulsonについては2011年2月26日の話題でISSCCでの発表を紹介していますが,29.9mm×18.2mmと言う巨大なチップで,TDPは170Wです。

  チップサイズを大幅に大きくしたり,TDPを大きくする余裕はあまり無く,同じ32nmプロセスで作るとすれば,Kittsonでの性能向上は限定されます。また,Xeonとのソケット互換も行わないとすれば,KittsonはPoulsonのマイナーチェンジという感じになってしまいます。

  2012年5月26日の話題で紹介したように,Intelとしては儲からないItaniumを止めたいのですが,HPは基幹サーバに使用しており,Kittsonまでは開発して貰い,その間に基幹サーバのCPUの移行を行うという戦略と思われます。Kittsonの開発に,HPが5年間で$300Mを払うという契約で,2009年には$88Mを支払ったとのことですが,その後,払い渋ったのかどうか分かりませんが,今回の発表では,これまでの22nmでの開発や,HPの基幹サーバのCPUをXeon系に切り替えるために重要と思われるマザーボード互換が無くなってしまっています。

2.2月17日からのISSCCでのプロセサの発表

  明日,2月17日からISSCCが開催されますが,17日はチュートリアルなどで,18日からが本会議です。18日午前のプレナリーでは,AMDのLisa Su VPがヘテロジニアスコンピューティングに関する基調講演を行います。18日午後のセッション3がプロセサ関係のセッションで,

他2編が発表されます。

  セッションの構成は,聴衆に最初から最後まで聞いて貰うように,最初と最後に評価の高い論文を持ってくるのが普通で,最後の発表となった富士通のSPARC64 ]の論文は評価が高いようです。これまで,中国は65nmとか,かなり遅れたプロセスでのものが多かったのですが,今回は最先端とは言えなくても32nmとかなり追いつき,8コアで40Wなら1.35GHzはいい線を行っており,トップレベルに追いつくのも時間の問題という感じがします。

 また,19日午後のセッション9がMobile Application Processors and Media Acceleratorsのセッションで,

が発表されます。タブレットやスマホのプロセサが一番伸びている分野であり,QualcommやARM,NVIDIA,Marvell,Calexedaなども学会発表して欲しいところです。

  残念ながらISSCCには行かれませんが,毎年,日経BPのTechOn!が記事を載せるので,それを引用して紹介しようと思っています。

 

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