最近の話題 2013年10月5日

1.TSMCがロードマップの進捗を発表

  2013年10月2日のEE TimesがTSMCのOpen Innovation Platform® (OIP) Ecosystem Forumでのロードマップの発表を報じています。

  それによると,16nm FinFETは2013年末で,その次は2015年末に10nmとなっています。20nmは既にSunのM7やXilinxのPLDなどの25品種以上のテープアウトを受け取っているとのことです。

  20nmSoCプロセスは,現行の28nmプロセスと比較して,密度は1.9倍,同一電力で15%の速度改善,または,同一速度なら30%の電力低減とのことです。

  しかし,20nmでは二重露光が使われるので,コストアップになると見られており,Qualcommなどはすべてのチップを20nm移すのではなく,様子を見る姿勢のようです。

  16nmはメタルシステムは20nmのものを流用するので,トランジスタ密度は殆ど上がらず,28nmに比べて約2倍の密度となっています。しかし,FinFET化で20nmSoCと比較して20%の速度改善,あるいは35%の電力低減が得られるとのことです。

  20nmも16nmも100MbitあまりのSRAMの歩留まりが75%以上という数字がありますが,SRAMは冗長で救えるので,これではロジックの歩留まりは良く分かりません。

  20nmのIPは,LPDDR系,HDMI系とXAUIが2014年Q3になっている以外は,揃って来ています。一方,16nmのデザインフローは発表されたのですが,まだ,不足しているツールもあり,IPライブラリは基本的なセルやマクロはできているものの,メモリインタフェースやPCIe 1〜4やUSB2.0/3.0などのインタフェース系マクロは全て開発中という状況で,基本的な設計検討はできるものの,製品設計に使うのは,まだまだ,という感じです。

  3D実装では,2013年Q2にMobileのWide IO DRAMをTTS(Through Transistor Stacking)実装,2014年Q4に16nmSoCと組み合わせてHBMをCoWoS(Chip on Wafer on Substarate)で2.5D実装,WideIO 2のDRAMとGPUのTTS実装がその先に書かれていますが,時期は明示されていません。

  2012年度のCapexが$8.3Bで,2013年度は$9.5〜10Bと1兆円の大台に迫るのは,必要とは言いながら,なかなか大変な商売です。また,82歳のMorris Chang会長は参加せず,ビデオメッセージだったそうです。ということで,後継者が取りざたされています。

2.IntelがQuarkベースのArduino仕様のGalileoボードを発表

  2013年10月3日のEE Timesが,IntelのQuarkベースのGalileoと呼ぶ開発用ボードの発表を報じています。

  先日のIDF13で発表されたInternet of Things向けの低電力チップとして発表されたQuarkを使う開発ボードで,DIYのArduino仕様のボードとなっています。

  プロセサは最高400MHzクロックで,シングルコアで,IA32のPentium命令セット,Out-of-Order実行,512kbの組み込みSRAM,DDR3 1チャネルという仕様のQuark X1000で,アイルランドで開発されたと書かれています。2013年10月3日のSemiaccurateは,コアはP54C Pentiumベースだけど,色々な周辺機能が組み込まれていると書いています。この記事にはボードの回路図があり,X1000とDRAM以外のLSIはEthernetのPHYだけのように見えます。

  ボードとしては10/100 Ethernet,PCIe x1,USB2,SD/SDIO/eMMC,UARTなどが出ています。お値段は$60以下だそうです。

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