1.英国気象庁が16PFlopsのCray XC40の導入を決定
2014年10月28日のThe Registerが,英国気象庁が16PFlopsのCray XC40スパコンの導入を決定したと報じています。総額£97M($128M)で3期に分けて納入され,主要な設置は2015年から2017年とのことです。
計算能力は,現有のスパコンの13倍となり,空港の周辺の霧などは300mの解像度でシミュレーションが可能になるとのことです。
システムは20PBのストレージとI/Oを加速するDataWarp機構を持つとのことです。
2104年10月28日のThe Inquirerは,総額£95Mと報じています。XC40のCPUはXeon E5 2600 v3で,48万CPU(多分コア)と報じています。また,Exeterの2つのサイトに設置されると書かれており,気象庁はバックアップのために同じシステムを2組設置するのが一般的なので,今回もそのような構成になると思われます。この場合,16PFlops,48万CPUが両方の合計なのか,一方だけのカウントなのかはよくわかりません。
2.iPad Air 2の製造コストは$275とIHSが見積もり
2014年10月28日にIHS Technologyは, 独自の分解調査から,iPad Air 2の製造コストは$275と発表しました。これはWiFiオンリーでSSDが$16GBで販売価格が$499のモデルで,最も高価なSSDが128GBで,WiFiとセルラーをサポートする$829のモデルのコストは$352と推定しています。
部品の中で最も高いのはRetinaディスプレイで,$77と見積もっています。続いて高いのはタッチスクリーンの$38で,画面だけで$115になっています。
20nmプロセスで製造されるA8XプロセサはM8モーションプロセサ込で$22という見積もりで,A7XとM7が$18であったのと比べると見積もりコストは上がっていますが,全体から見ると大したコストではありません。
2014年10月28日のThe Registerの記事によると,Geekbench 3による性能評価では,1コアのA8XはA7から22%の性能向上ですが,マルチコアの場合は68%の性能向上となっており,コア数が増えて3コアとなったものと考えられます。
3.続 Soft MachinesのVISC
2014年10月23日のSemiAccurateと2014年10月27日のEE Timesが,Soft MachinesのVISC(Virtual Instruction Set Computer)ついての記事を載せています。EE Timesの記事は,先週紹介した記事のフォローアップです。
先週,私は,シーケンシャルプログラムをバーチャルソフト層でマルチスレッドに分割しているのではないかと書いたのですが,前記の記事では,Global Front Endでマルチスレッドの分解すると書かれています。SemiAccurateの記事では,これらのスレッドはソフトからは見えないスレッドで,大きくても100命令程度で,必ずしもSelf Containedになっていないと書かれています。
また,EE Timesの記事では,フェッチやロードが別スレッドになる例として挙げられています。メモリアクセスは時間が掛かるので別スレッドで実行するというのは分かるのですが,Out-of-Orderのプロセサなら,似たようなことはできます。
ソフト層なら,ある程度広い範囲のコードを見て,スレッドへの分解ができると思うのですが,視界の狭いGFEでスレッドの分解や各スレッドに最適な資源割り当てなどを行うのは難しいと思うのですが,どうやっているのか謎です。