最近の話題 2014年12月13日

1.Apple I/IIがガレージで作られたというのは神話

  2014年11月5日のThe Inquirerが,Bloombergのインタビュービデオを引いて,Appleの共同創立者のSteve Wozniack氏が,最初のApple Computerがガレージで作られたというのは神話で,事実ではないと暴露したと報じています。

  ガレージがあったのは事実ですが,憩いの場として使われた程度で,設計もブレッドボードや試作機の組み立ても,製品計画も,製造も,ガレージでは行われなかったとWozは述べています。

  では,どこで作業をしたのかというと,設計図を書いたり,はんだ付けをしてApple Computerを組み立てるという作業を行ったのは,当時,Wozが勤めていたHPのオフィスで行われたのだそうです。


  Inquirerの記事は,この時の貸しを(HPのCEOの)Meg Whitmanが取り立てに来るのではないかと書いています。

2.Green500 1位のL-CSCスパコン

  2014年12月9日のマイナビニュースが,Green500で1位となったドイツのGSIヘルムホルツセンターに設置されたL-CSCについて報じています。
  
  L-CSCはASUSのマザーボードにXeon E5 2690 v2を2個とAMDのFirePro S9150 GPUを4台搭載したノードで構成され,今回のシステムは56ノードとなっています。Top500の168位にランクされ,ピーク性能は593.6TFlops,LINPACK性能は316.7TFlopsとなっています。ただし,Green500に登録されたLINPACK性能は301.3TFlopsとなっており,多少性能を落としても,よりGFlops/Wが高くなる動作条件での測定になっています。

  なお,L-CSCは建造途中で,最終的には160ノードとなる計画です。

  Top500のメーカー名の欄はAMD,ASUS, FIAS, GSIと書かれています。GSIはヘルムホルツセンターの所属する組織で,FIASはFrankfurt
Institute of  Advanced Studiesと思われ,組み立てなどには下請けの会社は使っているのでしょうが,自作のマシンのようです。

  Green500の1位ですが,例えば,一番負荷の重いDGEMMの実行は,GPUオンリーでやらせる版のソフトとCPU/GPUで処理を分担させる版のソフトを持ち,どちらを使うかをダイナミックに変えて,常にGFlops/Wが高くなる方を選んでいます。その次に負荷の重いDTRSMも同様です。

  更に,CPU,GPUともにDVFSを使って,負荷の軽い動作の場合はクロックを下げて電力を下げ,LINPACKの開始のころはCPU負荷が低いので,不要なCPUはスリープさせ,逆に終わりの方はGPU負荷が低いので,不要なGPUを止めることで消費電力を下げています。

  ということで,動作条件をダイナミックに変えて,最適の条件を選ぶということを徹底したのが勝因のようです。

3.CSCSがPiz DaintにPiz Doraを増設

  Peta Flopsのスパコンとしては最もGreenな,スイスのCSCSのPiz Daintに,CrayのXC40スパコンのPiz Doraが増設され,すでにテスト運用が始まっていると2014年12月11日のHPC Wireが報じています。

  Piz DaintはCrayのXC30スパコンでNVIDIAのK20x GPUを搭載するヘテロなスパコンですが,Piz DoraはGPUを搭載しないCPUオンリーのシステムとのことです。

  XC40の計算ノードは12コアのXeon 2690 v3 CPU 2ソケットからなり,Piz Doraは8筐体で1256計算ノードとのことです。Piz Doraのピーク演算性能は1.258PFlopsとなります。計算ノードの大部分の1192ノードは64GBのメモリ容量ですが,64ノードは128GBのメモリを搭載するFat Nodeとなっています。

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