最近の話題 2015年8月8日
１．IntelがSkylakeを発表
2015年8月5日のEE Timesが，GamesconにおけるIntelのSkylake-Sの発表を報じています。また，8月5日のPC Watchも報じており，こちらの方が日本語なので読みやすいと思います。
発表されたのは，14nmプロセスで製造されるデスクトップ向けのSkylake-Sで，Core i7-6700KとCore i5-6600Kの2品種です。-Kが付いており，オーバクロックが可能な品種です。SkylakeはBroadwellの次世代のアーキテクチャで，BroadwellのCore i7-4790Kと比較して10%性能が向上しているとのことです。
Core i7-6700Kはクロックが4.0GHz（ターボ4.2GHz)，キャッシュは8MB，PCIe3.0をを16レーン装備しています。そして，TDPは91Wとなっています。Core i5-6600Kはクロックは3.5GHz（ターボ3.9GHz)でキャッシュは6MBです。PCIeやTDPはi7-6700Kと同じです。
メモリとして，最大4,133MHzのDDR4をサポートしてメモリバンド幅を改善し，グラフィックスはIntel HD Graphics 530にアップグレードされています。
対応するチップセットは更新され，Z170となり，DMI3.0でプロセサと接続されます。なお，Z170からは20レーンのPCIe3.0が出ていますが，DMI3.0はPCIe3.0 4レーン分のバンド幅しかありませんから，各レーンは1Gbit/s程度の性能しか出せません。
お値段は，Core i7-6700Kが$350，i5-6600Kは$243となっています。
２．東芝とSandiskが256GBのFlashのパイロット生産を発表2015年8月7日のThe Registerが，東芝とSandiskの256GBのFlashチップのパイロット生産の開始を報じています。3D NANDの量産はSamsungが先行し，今年の2月のISSCCでは32層のTLCで128Gbitの第2世代チップを発表しています。
これに対して，今回のチップはSamsungを上回る48層のTLCで，256GBの容量を実現しています。
このチップはSandiskのパートナである東芝の四日市工場でパイロット生産が行われると見られます。そして出荷は2016年になると見られます。
３．中国がスパコンと高性能ドローンの輸出を禁止
2015年8月3日のHPC Wireが，中国が8月の中ごろから8TFlops以上の性能を持つコンピュータの輸出を禁止すると報じています。ただし，このような性能のコンピュータが中国から，どの程度輸出されているのかは不明です。
ISC15でのStudent Cluster Competitionでは最高Linpack賞は10TFlopsを超えていますから，ISC15のSCCで使われたInspurなどのサーバのピーク性能は，軽く8TFlopsを超えている筈です。これは恒久的な輸出ではないので，例外として認められるのでしょうか？
例外が認められないとすると，ISC15のSCCに参加した精華大，国防科技大，中国科学技術大などのチームはどうなってしまうのでしょうかね。
また，強風の中で飛行でき，15,420m以上に上昇でき，1時間以上飛行できるドローンの輸出も禁止されるとのことです。
４．RISCより効率が高いCISCをImsysが発表2015年8月5日のEE-TimesがImsysという会社のCISCアーキテクチャのプロセサについて報じています。Imsysは65nmプロセスで，3.5mm2と いう面積で2コアとソフトウェアとデータを格納するメインメモリを作るという条件で，設計を最適化し，1-10バイトの長さを持つCISC ISAを作り上げたとのことです。平均命令長は3.15バイトとのことで，4バイト固定長のRISCの80%程度の短い命令になっています。
この命令セットはLLVMの中間表現に非常に近い形式で，命令の種類は1,100となっています。
65nmプロセスで作られたProof of Conceptチップは1.875mm×1.875mmで，2個のコアと256KBのROM，160KBのRAMとNetwork on Chipを構成する5ポートのルーターを含んでいます。この設計で22nmプロセスを使えば，1000個以上のコアをワンチップに詰め込めます。
ARMベースのFreeScaleのKinetis Lファミリと比較すると，Imsysのチップはより少ない電力で3.5倍のクロックで動作するとのことです。更にクロックは2倍程度高めることができ，デュアルコアなので，最大14.6倍の性能が得られると書かれています。