最近の話題 2015年9月19日

1.HPが25,000から30,000人のカットを発表

  2015年9月16日のHPC Wire(や多くのメディア)が,25,000〜30,000人の人員削減を行うというHPの発表を報じています。

  HPは,10月に,プリンタやPCなどを扱う部門をHPからスピンオフし,従来のHPはサーバなどのエンタプライズ向けの製品にフォーカスするという計画を発表していますが,それに先立って大規模な人員削減を行って,両方の新会社が身軽になれるようにするためと見られています。

  しかし,どの部門からどのように削減を行うかは明らかになっていません。アナリストの間では低成長のプリンタやPC部門の業績を改善するためには人員削減は必要と見られています。

2.TSMCがロードマップを発表

  2015年9月17日のEE TimesがTSMCのロードマップの発表を報じています。それによると,TSMCは今年,10nmのEarly Productionを開始し,2017年には7nmのEarly Production を開始するとのことです。また,2016年には16nmプロセスのコストダウン版,IoTや車,センサー向けなどに最適化した各種のプロセスを提供するとのことです。これらのプロセスの中にはPRAMやMRAMを含むものもあるそうです。

  TSMVは10nm FinFETプロセスのテストチップを作成し,20nmプロセスと比較して面積は0.52倍,そして,16FF+と比較して,18%高速あるいは40%低電力と言っています。しかし,この20nmと10nmでは面積は0.25倍になる筈ですから,TSMCの10nmは14nm並みの密度にしかなっていません。10nmのEarly Production開始はIntelを上回るのですが,実質14nmクラスとすると,Intelに勝っているとは言えません。

  一方,10nmプロセスは3重露光が必要であり,新しいEDAツールが必要になるとのことです。設計ルールの数は,28nmでは2000,16nmでは4000であったのが,10nmでは5000に増加するとのことです。

  TSMCは8000種のスタンダードセルの設計を完了しており,0.4Vから1.3Vまでの動作を確認しているとのことです。

  一方,7nmプロセスでおSRAMのテストチップの製造にも成功しており,10nmと比較して40-45%小さい面積で,10-15%高速,25-30%低電力とのことです。7nmのリスク量産は2017年1Qの予定です。

  16nmの低コスト版の16FFCプロセスでは,プロセスを見直してマスクを10枚削減し,製造コストを下げたとのことです。

3.AppleのA10プロセサは100% TSMCが製造か

  2015年9月14日のEE Times台湾の工商時報を引用して,来 年3月から量産に入るAppleのA10プロセサはTSMCが三星を撃退して,全量をTSMCんの16nm FinFETプロセスで製造すると報じています。この時期に量産を開始すれば,来年9月と見られるiPhone 7に間に合います。Appleのサプライヤの関係者からの情報とのことですが,どの程度の信頼がおける情報かは不明です。

  なお,TSMCが発表しているIntegrated FanOutパッケージング技術を使うそうです。

  そして,iPhone6sやiPadProのA9,A9Xプロセサは少なくとも半分はSamsungの製造と言われているとのことです。

4.ソフトドリンク液冷のPC?

  2015年9月18日のThe Registerが,IRN-BRU(アイアンブリューと発音)というスコットランドではCokeやPepsiより売れ行きが高い国民的ソフトドリンクでMacを液冷したというニュースを報じています。

  掲載された写真ではPC本体の上部に置かれたIRN-BRUと書かれたボトルからパイプが出ていて,オレンジ色のIRN-BRUがCPUにつけられたコールドプレートに供給されています。

  製作者のJohn Lawson氏は,IRN-BRUを讃え,広く知らしめるためにこのマシンを作ったとのことです。

  浸漬液冷ではないので,絶縁性の液体である必要はないのですが,やはり,甘いソフトドリンクでは問題があるようで,色は似ているが,使っている液体はIRN-BRUではないそうです。しかし,Lawson氏は,この液体が何であるかは明らかにしていません。

  また,IRN-BRUのボトルの左に,懐かしいNixie管が6本並んでカウントらしきものを表示していますが,これが何を意味しているのかについては,記述がありません。


  



9とA9Xプロセサを使うiPhone6sとiPadProを発表

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