最近の話題 2016年1月23日

1.クラウドストレージへの支出は今後2年で倍増。そして我が家もクラウドストレージか?

  2016年1月21日のThe Registerが,Voice of Enterprise:Storageの調査結果を報じています。それによると,殆どの企業でストレージをインハウスのストレージから,クラウドに移すことを検討しており,現在8%であるクラウドストレージへの支出は2年後の2017年には17%に増加し,一方,自社内のストレージへの支出は現在70%で すが,2017年には58%に低下すると報じています。

  個人的な話ですが,私はBuffaloのNASを,もう5世代くらい使っています。昨年の11月頃から4TB Raid5(有効容量3TB)のNASが不安定になってきたので,Buffaloの8TBのNASを買い,Raid1にして有効容量4TBで使い始めました。Raid5やRaid1のNASはある程度の耐故障性はあるのですが,心配ですから,更にUSBのHDDでNASをバックアップしていました。しか し,新しい8TBのNASに接続した4TBのUSB Diskがフォーマットできず,Buffaloのサポートと4回くらいのメールでのやり取りを行ったのですが,指示されたソフト的な手段では直らず,NASのハード故障の可能性もあるので,送り返してくれというメールが来ました。

  しかし,1.5TBのNASのデータを取り出すのには3〜4日掛かります。そして,私のNASが修理されて戻ってきたら,また,3〜4日掛けてデータを移すことになります。その間はハード故障に対して無防備です。

  実は,前のNASとその前の世代のBuffaloのNASは,問題があり,サポートとのやり取りの結果,Buffaloから(勝手に)新品を送ってきました。サブモデル名が違っていましたから,多分,何らかの設計上の問題があり,交換したのではないかと思います。

  という経験から,今回も,今のユニットを送り返す前に,交換のユニットを送ってくれと要求したのですが,そういうことはやってないと断られました。車の修理でも,代車を貸すのは普通とメールを送ったのですが,なしのつぶてです。

  ということで,我が家もクラウドストレージへの切り替えを真剣に考えています。企業はAmazonやMicrosoftのクラウドを検 討しているところが多いようですが,我が家としては,バックアップソフトのAcronisがやっているクラウドを考えています。PC1台の場合は約1万 円/年(PC3台の場合は約1.5万円)で,容量無制限と言っているので,自分でNASを買って設置するより安上がりかも知れません。

  無料トライアルがあるので,試してみようと思っています。結果がでたら,皆様にもご報告したいと思います。また,Buffaloの製品は,これからは買わないことにします。

2.AMDが2016年,2017年のロードマップを更新

  2016年1月21日のSemiAccurateが,AMDのロードマップの更新を報じています。それによると,PC分野は,ハイエンドはZenコアを使うSummit RidgeというコードネームのCPUと,第7世代のAシリーズのデスクトップCPUのBristol Ridge,同じくBristol Ridgeのモバイル版というラインアップとなります。デスクトップ用はAM4ソケットで,モバイル用はFP4ソケットになります。FP4のモバイル用CPUは周辺を集積したSoCとなると見られますが,AM4ソケットを使うチップはSouth Bridgeは外付けではないかと思われます。

  Summit ridgeに使われるZenコアはSMTをサポートすると言われており,Summit Ridgeはマルチスレッド付きの高コア数と書かれています。メモリのサポートはDDR4だけでDDR3はサポートしていません。第7世代APUはDDR3とDDR4の両サポートです。

  そして高性能のGPUをだします。FinFETテクノロジを使い,電力効率2倍。VR/ARのアクセラレータを搭載し,第2世代のHBM(HBM2)を搭載するとのことです。

  Bristol Ridgeは2016年の中頃に登場の予定ですが,Summit Ridgeは今年の4Qの予定です。

  サーバ向けのロードマップでは,Zenコアベースの次世代Opteronを2017年の前半に出す予定で,Disruptive Memory Bandwidth,High Native I/O Capacityと書かれていますが,具体的にはどのようなものであるかは不明です。こちらにもHBM2を使うということでしょうか?

  そしてK12コアを使う次世代ARMサーバチップを出します。ARMサーバとして最高の性能,ストレージ,ネットワーキング,組込み分野をターゲットにしているのは,A57コアを使う現在のA1100と同じです。

  興味深いのは,これらに加えて,高性能のサーバ向けのAPUを出すという点です。メモリに関してはTransformational Memory Architectureと書かれていますが,これが何であるかは不明です。いずれにしてもAMDは,CPUとGPUが一つのメモリをアクセスするAPUのアーキテクチャでHPCができるということに自信を持ったようです。Scale-UP Graphics Performanceも単に搭載されるGPUが強力になっただけなのか,複数チップのGPUを連携して使える高速の通信をサポートするのか,具体的なことは分かりません。

  この発表は2015年4Qの決算説明会で行われたのですが,4Qの売り上げは$958Mで前年同期と比べて23%売り上げ減で$102Mの損失という結果でした。また2015年全体でみても売り上げは#3.99Bで,前年からは28%のダウンで,$660Mの損失です。

3.TSMCがEUVのスループットと稼働率を発表

  2016年1月21日のEE Timesが,TSMCのEUV露光装置のスループットと稼働率の発表を報じています。TSMCに設置されている装置の光源は85Wで,近く125Wにアップグレードされるとのことです。そして,メーカーのAMSLは,185Wの光源をデモしていて,年末までに250Wまで上げることを約束しています。

  TSMCはEUV装置の処理スループットを示すグラフを発表しており,それによると,1日のスループットは200枚から800枚まで変化しており,2週間の平均は518ウェファ/日と発表されました。また,4週間の稼働率は70.2%とのことです。TSMCは2月末には,より詳しいデータを発表すると見られています。

  この数字は量産に適用するには,スループットを2〜3倍に引き上げることが必要と言うレベルですが,2018年にEUVが量産に使えるという希望が多少出てきたというレベルです。

4.SamsungがQualcomのビジネスを獲得か?

  2016年1月15日のEE Timesが,アナリストのWarren Lau氏の情報に基づいて,Samsungが14LPP(Low Power Plus)プロセスで,Qualcomの14nm世代と10nm世代のビジネスを獲得したと報じています。

  14LPPは,第1世代の14LPE(Low Power Early)と比較すると,最大15%高速で,最大で15%少ない電力になるとのことです。2年前にはTSMCの売り上げの20%を占めていたQualcomがSamsungに移るのは,TSMCにとっては痛手です。

  Qualcomは14LPPを使うSanpdragon 820プロセサを開発しており,今年の前半にはこのチップを搭載した最初の製品が出てくるとのことです。

5.MicrochipがAtmelを$3.56Bで買収

  2015年1月21日のEETimesがmMicrochpのAtmelの買収を報じています。MicrochipはマイクロコントローラやFlash memoryなど組込みシステム用のコンポーネントの会社ですが,同業のAtmelを買収して規模を拡大します。

  英国のDialog社がAtmelの買収に取り掛かっていたのですが,それをMicrochipがさらった感じで,MicrochipはDialogに$137.3MをTermination feeとして支払うとのことです。

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