最近の話題 2016年5月14日

1.東大と筑波大が共同で25PFlopsのスパコンを導入

  2016年5月10日に,東京大学情報基盤センターと筑波大学計算科学研究センターは共同で,ピーク演算性能25PFlopsのスパコンを導入すると発表しました。Oakforest-PACSと呼ぶこのスパコンは,IntelのKnights Landingを使い,ピーク演算性能は25PFlopsとなっています。このピーク演算性能は京コンピュータの約2.2倍で,2016年12月1日の稼働開始の時点では,国内で最大のスパコンとなります。

  発表では8208台のKNLノードをOmniPathで接続すると書かれており,システムとしては,富士通が開発する次期Primergyサーバが使われるのことです。ファイルシステムは26PBで940TBの高速ファイルキャッシュが付くとのことです。これらは富士通製ではなく,DDN製とのことです。

  ノード間の接続はフルバイセクションのFat Treeとのことです。また,消費電力は3.6MWとのことです。

  国内最大ですが,先週の話題で紹介したように,同じころには中国では100PFlopsと4倍の性能のマシンが2台も動くとのことで,差を付けられた感じがあります。

2.ディープラーニングはNVIDIAの1Q決算を改善

  2016年4月13日にHPC WireがNVIDIAの1Q(2月1日から5月1日)の決算を報じています。それによると売り上げは$1.15Bで,これは前年同期と比較すると13%の増加です。SIAによると半導体メーカー全体の2016年1Qの売り上げは,前年同期比で6%ダウンとのことで,NVIDIAの13%増は大健闘です。

 今年の1Qの売り上げは,前期の$1.4Bと比較すると7%のダウンですが,前期はクリスマスセールなどの季節要因があるので,前年同期との比較の方がビジネスの伸びを示しています。

  Jen-Hsun Huang CEOはゲーム,プロフェッショナルビジュアライゼーション,データセンター,自動車の全部門で売り上げが伸びていると述べています。そして,大きな成長を支えているのはディープラーニングの分野でのGPUの使用が伸びていることと述べています。

  新GPUのPascalですが,P100 GPUを使うDGX-1の出荷開始は7月と言う噂もありますが,メモリをHBM2より安価なGDDR5Xに変えたゲーム用のGTX1080とGTX1070はもう少し早く出てきそうです。

3.Googleが自動運転車の人間の運転手を募集

  2016年5月13日のThe Inquirerによると,Googleはアリゾナ州で,自動運転車を運転するドライバを募集しているとのことです。

  このドライバは,緊急時を別とすれば,車を運転する必要は無いのですが,運転席に座っていて,走行中に起こったことを報告する必要があるとのことです。

  時給は$20とのことです。Arizona州の最低賃金は$8.05/Hr程度ですから,それよりもかなり高い給料です。


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