最近の話題 2016年7月9日

1.Tesla Model Sは,なぜ,トレーラが見えなかったのか?

  先週の話題でTeslaのModel Sの死亡事故について書きましたが,2016年7月7日のEE Timesが詳しい記事を載せています。"Tesla's Fatal Crash: 6 Unanswered Questions"というタイトルで,原因が判明したというわけではありませんが,色々と考察されており,参考になります。この話に興味を持たれている方には,EETimesの記事をお読みになることをお勧めします。

  まず,訂正ですが,先週の話題では,レーダーがあればトレーラートラックを検出できたはずと書きましたが,Model Sはレーダーを装備しているとのことです。なぜ,レーダーが検出できなかったかですが,トレーラはModel Sの低い車体からはかなり上方に有り,道路案内板などと見なされて無視された可能性があるとのことです。

  事故の図を見ますと,Model Sはトレーラの下を通り抜けて,その先でフェンスや電柱にぶつかって止まっています。Model Sが前方には障害物が無く,前に進めると判断したのはあながち間違いではありません。

  しかし,各センサーからくる情報が,ビジョンシステム全体として想定している事態ではなく,対応の仕方がわからず,無視されてしまい,非常ブレーキを掛けなかったというのが問題であるような気がします。

  複数のセンサーの信号を総合するセンサーフュージョンが良く言われますが,すべての起こり得るセンサー信号の組み合わせを想定して,全てのケースに対応するようにプログラムを作るのは,非常に難しそうです。

2.Just Eatの配達ロボット

2016年7月6日のThe InquirerがイギリスのJust Eat社の配達ロボットについて報じています。食べ物の配達業のJust Eat社が配達ロボットを開発するStarship社と提携して,ロンドンの市街で,ロボットによる配達を計画しているとのことです。

Amazonはドローンで空を飛ぶ配達を開発していますが,Starship社の配達ロボットは道路を走る6輪の車の付いた箱で,ロックが付いた蓋が付いていて,暗証番号を入れないと中身が取り出せないようになっいて,配達物が盗まれないようになっています。

基本的に,自走して配達先まで走って行くそうですが,センターで動きを監視していて,動きがおかしい場合には,センターのオペレータが介入することもできるとのことです。

配達ロボットのメリットとして,Just Eat社は,起き抜けでパジャマのままとか,人間の配達人に会いたくない場合でも大丈夫としています。

しかし,背が低いので,玄関のチャイムとか,エレベータのボタンを押せそうにありませんが,どうするのでしょうね。アームが伸びるのでしょうかね。




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