最近の話題 2016年9月24日

1.Linly Processor ConferenceでWaveがニューラルチップを発表

  2016年9月21日のEE Timesが来週開催されるLinley Processor Conferenceのプレビューを掲載しています。主催するLenley Gwennap氏は,かのMicroprocessor Forumの生き残りで,筋金入りのアナリストです。

  今回の発表の目玉としてEE Timesが報じているのは,Wave Computingのデータフローテクノロジを使うディープラーニング用のプロセサです。Gwennap氏によると,GPUを使ったアプローチの10倍高速とのことです。インファレンスだけでなく,ラーニングにも使えるような書いてあるので,ラーニングをどのように処理するのか興味があります。

  その他には,AdestoのNORチップとARMのインタコネクトの発表を挙げています。

  プログラムを格納するROMとしてはNAND Flashは遅すぎて使えず,NORが使われていますが,Adestoはインタフェースを工夫して,直接命令を実行できるメモリを作ったとのことです。ターゲットはウエアラブルやIoTとのことです。

  ARMの新インタコネクトはヘテロなシステムでのComputeとAccelerationを接続するコヒーレントなバックプレーンインタコネクトとのことです。消費電力2Wのネットワークアクセスポイントから100Wのサーバまでカバーするとのことです。

  それから,この記事には各種のサーバプロセサのSPECint性能をプロットした図が載っています。縦軸はシングルスレッドのSPRCint_rate性能,横軸は全コアを使うSPECint_rate性能です。これを見ると,シングルスレッドは,やはりXeonが圧倒的な強さで,2643V4は24程度の性能になっています。X-Geneは3代目になって13になれば,ある程度追いつくというレベルです。ThunderXはコアが小さく,2台目は5,3代目で10となっています。

  全コア性能は,E5 2699v4がと700を超えてトップですが,X-Gene3,ThunderX2も560程度と健闘というレベルに達します。この辺まで来て,電力やコストでかなりの差が付けば,ARMのサーバチップも立ち上がってくると思われます。ただし。ZGene3やThunderX2は,まだ,開発中のチップなのに対して,E5 2699v4は既に市販されているチップで,同時期にIntelがどのようなチップを出してくるかが問題です。


2.GoogleがチャットテクノロジのAPI.AIを買収

  2016年9月20日のThe Inquirerが,GoogleがChat Botテクノロジを開発しているAPI.AIの買収を報じています。

  FacebookやMicrosoftは会話システムを開発しており,Baiduも音声認識では先頭を走っています。Googleもこれに乗り遅れまいとする努力の一環とみられます。

  API.AIの会話システムは,既に,6万人の開発者に使われているとのことです。

  買収の金額や条件は公表されていません。


3.Intelの3D XPointの発表は誇大広告

  2016年9月22日のThe Registerが,Intelの3D XPointの発表は誇大広告との非難がでていると報じています。これは9月12日のSemiaccurateの記事を引いたものです。

  最初の3D XPointの発表では,アクセス速度や寿命はNANDの1000倍,密度はDRAMの10倍というスライドを見せてアピールしたのですが,IDF2016などで発表されたのは,速度が10倍,寿命は3倍,密度については発表されていません。

  ということで,速度については1/100,寿命につては1/333にしかなっていません。

  もちろん,この元の非難の記事を書いたのは,Charlie Demerjian氏です。


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