最近の話題 2016年11月12日

1.Mellanoxが200GbpsのHDR IBを発表

  2016年11月10日のThe Registerが,Mellanoxの200GbpsのHDR InfiniBand機器の発表を報じています。ConnectX-6 NICは200Gbpsを1ポートのものと2ポートのものがあり,レーテンシは0.6usとなっています。ケーブルは銅線のものは3m,光ケーブルは100mまで引っ張れます。CPUとの接続はPCIe3.0とPCIe4.0をサポートしています。

  頑張っているのはQuantumスイッチで,200Gbpsで40ポート,100Gbpsなら80ポートのスイッチになります。スイッチのレーテンシは90nsで,アダプティブルーティングもサポートしています。これまでのMellanoxのスイッチは36ポートで,IntelのOmni Pathの48ポートに比べて負けていて,大規模システムを組む時に必要なスイッチ数が多く必要でしたが,100Gbpsなら80ポートと大幅に逆転しています。

  また,このHDRスイッチは,Aggregationやれづcちおnの機能を持っていて,MPIのCollectiveの処理などをCPUからオフロードできるとのことです。京コンピュータのTofu-InterconnectもCollective機能を持っていたと思いますが,市販のスイッチも追いついてきたことになります。

  ConnectX-6とQuantumスイッチなどの発売は2017年で,報道によっては2017年前半と書かれているものもあります。

2.IBMがPOWER9を発表

  2016年11月10日のThe Registerが,バルセロナで開催されたOpen Power SummitでのPOWER9の発表を報じています。

  それによると,POWER9はGlobal Foundriesの14HP FinFETプロセスで作られ,24コアを集積します。ただし,24コアはSMT4コアの場合で,SMT8コアの場合は12コアでPOWER8と変わっていません。そして,CAPI 2.0とOpenCAPIをサポートし,25Gbpsのリンクでキャッシュコヒーレントなアクセラレータ接続を可能にしています。アクセラレータとの接続はPCIe4.0という表現も見られ,ちょっと分からないところもあります。

  また,NVIDIAのNVLink2.0をサポートします。NVLinkも現在の80GB/sより速くなるとのことです。

  POWER8は1種類のチップで,パッケージングだけを変えて異なる用途に対応していましたが,POWER9では,スパコンなどのスケールアウト型とハイエンドサーバのスケールアップ型では異なるチップを使うとのことです。スケールアウト型は2ソケットに限定し,メモリも直結。スケールアップ型は大規模SMPが構成できるチップを使い,メモリもバッファ経由で,大容量化できるようになるとのことです。また,PCIe4.0などのポート数も多く装備します。また,SMT8 12コアとSMT4を2コアというチップも作られるようです。

  POWER8と比較すると,1コアで同じクロックで,浮動小数点アプリの性能は50%アップで,整数アプリ1.8倍,グラフアプリでは2.25%の性能となっています。このコアがSMT8コア同士の比較なのか,POWER8のSMT8コアとPOWER9のSMT4コアの比較なのかは不明です。

3.ロボットがルービックキューブを0.637秒で完成

  2016年11月9日のThe Inquirerが,ドイツの技術者がルービックキューブを解くロボットを開発し,21ムーブを0.637秒で操作して,キューブを完成させたとのことです。ただし,キューブは摩擦を減らして速く回せるものを使っていますが,それ以外は普通のキューブと同じで,World Cube Associationは適格と認めているそうです。

  なお,人間の記録は4.904秒とのことです。

  このロボットには,Infineonの自動運転用のチップが使われているとのことです。

4.DeepMindとオックスフォード大の科学者が読唇術AIを完成

  2016年11月9日のThe Inquirerが,Google DeepMindとオックスフォード大の科学者が協力して,読唇術を行うAIを完成したと報じています。聴覚障害がある平均的な人が,唇の動きを読む場合の正解率は52.3%であるのに対して,LipNetと呼ぶこのAIの正解率は93.4%と非常に高いとのことです。

  スピーチ認識は,発音された音声を入力としていますが,入力を唇のビデオに変えれば,同じように認識ができるようです。

  聴覚障害の人の会話の補助とか,唇の動きを認識して,昔の無声映画に音声を付けるようなことができると書かれていますが,やはり,聞こえないと思っていた会話や,つぶやきが聞かれてしまうという心配の方が大きいのではないかと思います。

5.GoogleのDaydream VRが英国で発売開始

  2016年11月10日のThe Inquirerが,英国でのGoogleのDaydream VRの発売を報じています。DaydreamはGoogleのPIXELやPIXELXLスマートフォンを付けてVRを表示するデバイスです。お値段はスマートフォンは別で,69ポンドとなっています。

  2016年11月10日のEE TimesにRick Merritt氏が試用の感想を書いていますが,試してみたアプリの品質もまちまちで,まだ,ワイルドな西部のような感じと述べています。


inserted by FC2 system