最近の話題 2017年6月17日

1.Qualcommの7nm世代はTSMCを選択か

  2017年6月13日のEE Timesが,韓国のET Newsをひいて,Qualcommの7nm世代のSnapdragonでは,ファブとしてTSMCを使うと報じています。

  今年のCESではSamsungの10nmプロセスを使うSnapdragonを発表したQualcommですが,この報道が正しいとすると,次の7nm世代ではTSMCに戻ることになります。Snapdragonの売り上げは$1.78Bで,Samsungのファブビジネスの40%を占めるとのことですから,Samsungにとっては大打撃です。

  TSMCに切り替える一つの理由は,高密度のIOの接続を可能にするInFo技術だそうです。TSMCのInFoは,既にAppleのA10 SoCで使われていますが,Samsung側の同等の技術は,まだ,実用になっていません。

2.MediaTekの7nm世代はTSMCを選択

  2017年6月16日のEE Timesが,Qualcommに次いで世界2位のスマホSoCメーカーである台湾のMediaTekが,7nm世代ではTSMCを使うと発表したと報じています。

  発表したのは,MediaTekのCo-CEOのRick Tsai氏で,同氏は2014年までTSMCのCEOを務めていました。ということで,今回のファブ交渉ではテーブルの反対側に回ったことになります。なお,MediaTekの会長のM.K.Tsai氏とRick Tsai氏は縁戚関係にはないそうです。

3.テキサス州がドライバレス自動運転車の公道走行を許可

  2017年6月16日のThe Registerが,テキサス州のGregg Abbott州知事が,運転者が載っていない自動運転車の州の高速道路や一般道での走行を認める法律に署名したと報じています。

  自動運転車は州の交通法規や合衆国の高速道路に関する法律に適合することを示し,かつ,ドライブレコーダを装備する必要があります。また,責任を担保する保険を付ける必要がありますが,これらの条件を満たせば,来年9月1日から,テキサス州の道路を走ることが出来るようになります。

  先週の話題で,ワシントン州が同様の人間のドライバが乗っていない車の公道走行を認めるという話題を紹介しましたが,どうも,次々と追従する州が出てきそうです。

  日本では,リモートでドライバが居ればよいという条件での公道での自動走行車を認めるようになってきていますが,モニタの回線が切れないという保証はないし,リモートのドライバの方がAIより良く対応できるというケースがどの程度あるのか疑問で,気休めのような気がします。

4.DoEがExascaleプロジェクトに$258Mの予算

  2017年6月15日のHPCWireが,米国のExascale Computing Projectのハードウェア技術開発を担うPathForwardに$258Mの予算を付けたと報じています。AMD,Cray,HPE,IBM,Intel,NVIDIAの6社が開発費を貰うのですが,各社が幾ら予算をもらい,何をするのかは明らかにされていません。

  また,PathForwardは,各社が少なくとも40%の金額を負担するという条件が付いているので,全体では$430M以上の開発費が使われることになります。

  米国のExascale Computing Projectは2019年末までR&Dを行い,並行して2019年の初めからNREシステムの1号機の開発を行い,2021年の終わりには1号機を完成する計画になっています。

  一方,Dongarra先生によると,現在,Top500の1位,2位を独占する中国は,中毒独自開発のプロセサを使う太湖の光の後継機,天河2号を作ったNUDTはARMプロセサに独自のアクセラレータを接続するマシン,そしてSugonはAMDとのジョイントベンチャーからライセンスを受けてx86ベースのマシンと3台のExaスパコンの開発を計画しているとのことです。

  


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