最近の話題 2018年2月3日

1.カリフォルニア州のDMVが自動運転車の成績を公表

  2018年2月2日のThe Registerが,カリフォルニア州のDepartment of Motor Vehiclesの自動運転車の自動運転解除の報告の公表を報じています。DMVは20社に自動運転解除報告の提出を命じ,19社が提出に応じたとのことです。しかし,7社はカリフォルニア州では公道走行するテストを行っていないと報告したとのことです。これらの会社の報告書は,走行距離ゼロ,自動運転解除ゼロと書かれており,意味がありません。この7社には,BMV,Volkswagen,Ford,HondaとTeslaが含まれています。

  カリフォルニア州の公道でのテスト実績が一番多いのはWaymo(Googleの自動運転)で,567,365kmを走行し,その間,自動運転を解除して人間の運転手が操縦した事態の発生は63回で,自動運転解除は平均9,005kmの走行で1回という実績です。

  2位はGMのCruiseで,211,910km走行して105回の解除で,平均走行距離は2,018kmとなります。しかし,GMは2017年全体では22回の事故,今年に入ってすでに2回の事故を起こしています。Google/Waymoの2017年の3回の事故と比べるとかなり高い事故率です。

  しかし,Mercedes-Benzは1,749kmの走行で,自動運転解除が842回で,平均走行距離はわずか2.07kmです。大手部品メーカーのBoschは2,340kmの走行で解除が598回で,平均走行距離は3.9kmです。この辺になると数分ごとに自動運転解除が必要となり,自動運転車というレベルに達しているとは思われません。

2.Googleの親会社のAlphabetがExecutive ChairmanにJohn Henessy先生を選任

  2018年2月1日のFortuneが,AlphabetがJohn L Henessy氏をExecutive Chairmanに選任したと報じています。Henessy先生は,コンピュータ科学者でスタンフォード大の教授で,MIPSの創立者の一人で,2016年までスタンフォード大学の学長を務めておられました。また,2004年からGoogleのボードメンバーを務めているとのことです。

  17年間,GoogleのCEOを務めていたEric Schmidt氏が退任するのに伴った人選です。

  これでAlphabetのボードは,Google CEOのSundar Pichai,Googleのクラウド担当のDiane Greene,Google創立者のLarry Page,Sergey Brin,そして,ボードには留任するEric Schmidt,それに新任のExecutuve ChairmanのJohn Henessy氏らで構成されることになります。

3.Imaginationがマルチスクリーンをサポートする仮想GPUを発表

  2018年1月30日のEE Timesが,Imagination TechnologiesのPowerVR Series8XT GT8540 GPUの発表を報じています。このGPUは最大6枚の4Kスクリーンを60FPSで表示できる能力をもっています。そして,自動車用にダッシュボードやインフォテイメントのスクリーンなど多数の高解像度ディスプレイを同時に駆動するという用途を狙っています。

  そして,自動車用ですから,セキュリティーにも配慮されており,それぞれのスクリーンの機能はハードウェアで仮想化されて分離されているとのことです。

  Appleが自前のGPUコアを開発し,PowerVR GPUのライセンス収入が急速に減少しつつあるImaginationとしては,代わりの収入源を育てることが急務で,大きな市場規模になると見られる自動車向けで差別化して,シェアを取ろうという作戦です。


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