最近の話題 2018年3月3日
1.ASMLがEUVのロードマップを更新
2018年2月28日のEE Timesが,ASMLのEUVロードマップの更新を報じています。この更新はSPIEで発表されたものです。ASMLは,先週,245Wの光源を使い140Wafer/時のスループットを持つNXE3400Bを出荷しましたが,光源を250Wにして150Wafer/Hのスループットのシステムを6月までに出荷する予定です。
ASMLのデモでは,ペリクルを使わない状態で,20mJ/cm2で96フィールドを露光したとのことです。透過率83%のペリクルを使うとスループットは100Wafer/Hとなります。ASMLは,スループットが125Wafer/Hの90%透過率で,300W光源に耐えられるペリクルを目標としているとのことです。
ASMLは5nmプロセスを目指してNXE3400Bのアップグレードを計画しており,まず,オーバレイ精度を現在の2nmから1.7nm精度へに向上を今年後半,続いて2019年中ごろにはスループットを145Wafer/Hへの引き上げを行う予定です。
そして,2020年には1.7nmのオーバレイ精度で155Wafer/HのNXE3400Cを出す予定です。その次は2022年に1.1nm,170Wafer/H以上のスループットという目標が掲げられています。
そして,2023年~2024年には0.55NAの高NAマシンを出す予定です,このマシンは1.1nmで185Wafer/Hと更に高スループットになるという計画です。現在のNXE3400Bでもかなり大きいのですが,0.55NAのマシンはその2倍程度と巨大なサイズになるとのことです。レンズを作るCarl Zeissに対して,$1.9Bの投資を約束したと報じられています。Zeissの高NAレンズの測定システムの写真が載っていますが,直径6mくらいの丸いドアが付いており,記事では小型の潜水艦サイズと書かれています。
2.ImecとCadenceのチームが業界初の3nmチップをテープアウト
2018年2月28日のHPCWireが,ImecとCadenceのチームが業界初の3nmチップをテープアウトしたと報じています。
Imacが3nmのスタンダードセルライブラリやTRIMメタル配線フローを作り,Cadenceが設計用のCADを開発してチップを設計したものです。具体的には書かれていませんが,64bit CPUのチップだそうです。そして,メタルピッチは21nmとのことです。
3.Lenovoが26.7PFlopsのLRZのSuperMUC-NGを納入
2018年2月28日のHPCWireが,LenovoがドイツのLeibniz Supercomputing Center(LRZ)に26.7PFlopsのSuperMUC-NGを納入すると報じています。
LenovoのThinkSystem SD650というXeon Platium 2ソケットのサーバを約6500台使用するこのスパコンでは,50℃という高温の水冷を使っており,排水の温度は58℃~60℃となります。この熱で吸着型のチラーを動かして,ストレージなどを冷却する600kw分の冷水を作っています。これで85~90%の排熱を回収でき,それほどの寒冷地ではないのですが,PUEを1.1以下に下げることができるとのことです。
SuperMUC-NGの納入は5月初めから開始され,9月にアクセプタンステストを行い,11月に検収というスケジュールとなっています。
4.Appleの通勤バスが狙撃されている
2018年3月2日のThe Registerが,この45日間に20回もAppleなどの従業員を運ぶ通勤バスが狙撃されており,カリフォルニア州のハイウェイパトロールは,犯人の検挙に全力をあげていると報じています。なお,窓ガラスが割られているのですが,本物の銃なのかペレットガンのようなものが使われているのかは分かっていません。
AppleやGoogleなどはサンフランシスコからシリコンバレーのオフィスまで従業員を輸送するバスを運行させているのですが,高給取りのエンジニア達がサンフランシスコに住むようになると,家やアパートなどの価格が急騰し,普通の人が住みにくい街に変わってしまうということで,反感を持たれているとのことです。このため,通勤バスに反感を持つ人がバスを狙撃しているのではないかと見られています。
Interstate 280を走っているときに狙撃されているのですが,どこから狙撃しているのかも分かっておらず,目撃した人からの情報提供を求めるのと,囮のバスを走らせて犯人をおびき出す作戦を展開しているそうです。
しかし,AppleやGoogleに務めていると撃たれるというのは,怖いですね。