最近の話題 2018年10月20日

1.ARMがサーバ戦略を一新

  2018年10月16日のEE Timesが,来年からARMは,新たなサーバ,ネットワーク,ストレージなどのデータセンター向けの製品を出すとARM Tech Conで発表しました。Neoverseと呼ぶ新ブランドを立ち上げ,毎年,製品を更新し,30%のスループット性能の向上を約束しました。これで,IntelのXeonとCoreのように,NeoverseとCortexという2ブランドのラインナップになります。

  最初のNeoverseは2019年に出すAresで,これは7nmプロセスに最適化されます。そして7nm+プロセスを使うZeusを2020年,5nmプロセスを使うPoseidonを2021年に出す計画です。

  これらの製品は,最大256コア,8メモリチャネルをサポートし,HBMも最大8チャネルです。128MBのキャッシュを持ち,CCIXなどの高速インタフェースもサポートするとのことです。

  Cortexとは別にデータセンター向けの高信頼,高性能コアを作ることは,ARMのデータセンター進出にとってはプラスですが,それだけでデータセンター市場でIntelや最近好調のAMDのEpycに勝てるという保証はありません。

2.SamsungがEUVを使う7nmプロセスを立ち上げ

  2018年10月17日のEE Timesが,SamsungのEUVを使った7nmプロセスの立ち上げを報じています。この7LPPと呼ぶプロセスは,10nmプロセスと比較すると,面積は40%縮小,速度は20%向上,あるいは消費電力が半減となるとのことです。すでに,50社のファウンドリパートナーがテープアウトを行っているそうです。

  EUV光源は250Wで,1500Wafers/Dayのスループットを達成していますが,現在は,出力は280Wまで上がっているとのことです。Samsungはさらに300Wへの向上を目指してるとのことです。

  EUVを使うことにより必要なマスク枚数を20%削減でき,歩留まりを改善できるとのことです。

  Samsungは,現在はマスクを保護するペリクルを使っていないのですが,5nm世代では,EUV露光を使う層が6層程度になり,ペリクルが必要になると見られます。しかし,耐久性や透明度の要求を満たすペリクルは,まだ,できておらず,ペリクルの開発が5nmプロセスの実用化のネックになると見られています。

  SamsungはDRAMの速度改善にも取り組んでおり,最大3200MHzの256GBのRDIMMを,年末までに量産する予定です。SamsungはAMDのEpycサーバに8枚のDIMMを搭載し,3,2M Operantion/sで170Wで動作させるデモを行ったそうです。これは現在は128GB DIMMで3.8M Ops/sで225Wと比べると電力効率が改善しています。

  また,SaumsungはHBMのデータレートを現在は307GB/sから500GB/sに引き上げることを狙っています。さらに,GDDR6のベンド幅を,現在の18Gbit/sから22Gbit/sに引き上げ,LPDDRメモリの消費電力を24mW/GBから12mW/GBに半減する計画です。

3.Micronが3D Xpointの合弁をIntelから買い取りか

  2018年10月19日のThe Registerが,MicronがIntelとの協業の3D Xpointメモリを製造するIMFTのIntel持ち分を買い取る意向であると報じています。契約上,2019年1月1日になると,Micronが全株を買い取るオプションが発効し,Micronは買い取る意向だそうです。

  現在は,IntelはIMTFからウェファの供給を受けており,IMFTが買収された後,少なくとも1年はウエファの供給を受けられるのですが,その後は,自前での調達の道を探ることになります。当然,自社ファブの建設や転用が考えられますし,台頭著しい中国のメーカーに外注するという手も選択範囲に入っているとのことです。

4.IntelとARMがIoTのセキュリティーで協業を発表

  2018年10月15日のEE Timesが,IntelとARMがIoTのセキュリティー関係での協業を発表したと報じています。

  IntelはIntel Secure Device OnboardでARMのデバイスをサービスできるようにし,ARMのPelion IoT PlatformでX86プラットフォームをサポートできるようにするというものだそうです。

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