最近の話題 2019年10月19日

1.TSMCが今年の設備投資を50%増やしていた

  2019年10月18日のEE Timesが,TSMCのC.C.Wei CEOが今年の設備投資額を約$15Bに増やしていたことを発表したと報じています。

  5Gのスマホの増加とHPCの増加から,7nmプロセスの需要が伸びているので,2019年の設備投資額を当初予定していた$10Bから$15Bに増加したとのことです。増加分のうちの約$1.5Bは7nmチップの生産能力の増加に,$2.5Bは2020年の後半に量産に入る5nmプロセスに割り当てるとのことです。

  2020年の設備投資額は,まだ,決まっていませんが,今年と同レベルになるのではないかとのことです。

2.エジンバラ大学がヨーロッパ最大のAMD Zen 2スパコンを導入

  2019年10月16日のThe Inquirerが,エジンバラ大学がヨーロッパ最大のZen2スパコンを導入すると報じています。システムはHPEの子会社となったCrayのShastaスパコンです。

  ARCHER 2と呼ばれるこのスパコンは,748,544個のAMDのZen 2コアを使用し,クロックは2.2GHzとなっています。計算は合わないのですが,ピーク演算性能は28PFlopsと書かれています。稼働開始は2020年5月となっています。

  現在,ヨーロッパ最速のスパコンはスイスのPiz Daintで,ピーク演算性能は27.15Pflopsですから,来年6月のTop500で,ARCHER 2がヨーロッパ1位になる可能性はあります。

3.Intelは10nmプロセスのデスクトップCPUを諦めたのか?

  2019年10月16日のThe Inquirerが,Intelは10nmプロセスのデスクトップCPUを諦め,7nmプロセスのCPUに賭けるとの噂を報じています。

  Intelは10nmプロセスのラップトップ用のIce Lakeを出したところですが,このチップは内蔵グラフィックスの性能が上がっているのがウリで,10nmのデスクトップではCPUの性能が殆ど上がらないのだそうです。

  そうであれば,10nmのデスクトップCPUに手を掛けるのは止めて,7nmプロセスのデスクトップCPUで勝負に出るというのは理解できます。しかし,そうなると次世代のデスクトップCPUは早くても2021年で,AMDに大きく差を付けられてしまいます。

4.SamsungのGalaxy S10の指紋センサは簡単にごまかせる?

  2019年10月17日のThe Registerが,Samsungの新しいスマホであるGalaxy S10とNote 10の指紋センサは,スクリーンプロテクタを付けた場合は容易にごまかせると報じています。

  これらのスマホはInfinity-Oというディスプレイが使われており,ディスプレイの中に指紋センサが組み込まれています。従って,ディスプレイを保護するスクリーンプロテクタを付けると,指紋センサと指の間にスクリーンプロテクタが入ることになります。

  見たところではスクリーンプロテクタは透明ですが,この指紋センサは超音波で指紋の凹凸を読み取るというもので,プロテクタがあることにより,読み取られる指紋がぼけてしまうようです。

  この不具合をレポートしたユーザの女性は,ご主人の指でもロックを解除できたと言っており,全く役に立たない感じです。

  Samsungは,問題の調査を行っており,読み取りができるようにするパッチを提供する予定とのことですが,センサが読み取る指紋がボケているとすると,難しいのではないかと思われます。しかし,Galaxy Foldと言い,Samsungの新製品のチェック体制はどうなっているのでしょうか?

5.GoogleのPixel 4スマホの顔認証は寝ていてもアンロックできる

  2019年10月17日のThe Registerが,GoogleのPixel 4スマホの顔認証は,登録ユーザが寝ていても(多分,死んでいても)ロック解除してしまうと報じています。

  バイオメトリックでユーザ認証するのは良いのですが,目をつむっていても認証してしまうと,眠っている間にアンロックされて銀行預金を引き下ろされてしまう恐れもあります。

  ただし,GoogleはAIで認証を行っているので,顔写真を張り付けたマスクなどでは誤って認証されることはなく,セキュリティー認証の必要条件を満足していると主張しているとのことです。

  iPhone XとiPhone 11も顔認証を使っているのですが,こちらは目をつむっている場合は認証しないようになっているそうです。

  

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