最近の話題 2019年12月7日

1.IntelがHabana Labsの買収を検討か?

  2019年12月5日のEE Timesが,クエスチョンマーク付きで,AIチップを開発しているHabana Labsの買収を検討していると報じています。イスラエルのCalcalistは$1B~$2B程度の金額を考えていると報じています。

  Habana Labsはイスラエルの会社で,データセンタ向けのGoyaという推論チップとGaudiという学習チップを開発しており,2019年8月のHot Chipsで発表し,デモも行っていました。

  Intelは2016年にNervanaを$400Mで買収し,学習用のNNP-Tと推論用のNNP-Iを発表しており,HabanaのGaudiとGoyaはこれらと競合するものです。買収検討が本当であれば,NervanaのAIチップは競争力が無いと判断したのかも知れません。また,サンディエゴのNervanaにイスラエルのHabanaを加えて,AIチップの開発力をさらに強化しようという考えかもしれません。

  Habanaは1年前にシリーズBのファンディングで$75Mを調達し,これまでに$120Mの資金を集めています。従業員は約150人だそうです。

2.AWSがGraviton2 CPUを使うarm互換のEC2インスタンスをプレビュー

  2019年12月3日のThe Registerが,Amazonがre:inventで,Graviton 2 CPUを使うarm互換のEC2インスタンスのプレビューを行ったと報じています。

  Amazonは約1年前に,Cortex-A72コアを16個搭載するGraviton1 CPUを使ってA1インスタンスの提供を始めたのですが,このほどラスベガスで開催したre:inventにおいて,近くGraviton2 CPUを使うインスタンスの提供を始めると述べました。

  Graviton2は7nmプロセスで作られ,64個のarmのNeovers N1コアを搭載します。各コアは1MBのL2キャッシュを持ち,チップ全体で共用される32MBのL3キャッシュを持ちます。そして,メモリチャネルの数も増えているとのことです。さらに,マシンラーニングの推論のサポートも持っているとのことです。

  2019年12月3日のHPC Wireは,Graviton2は,ほぼ5年前にAmazonに買収されたイスラエルのAnnapurna Labsのエンジニアが作ったと書いています。

  そしてGraviton2はx86ベースのインスタンスと比較すると40%高いスループットでコストは20%安いとのことです。

  第1世代のGravitonと比べると,コア当たりの浮動小数点演算性能は2倍にアップしており,コンピュートコアの数は4倍,キャッシュサイズは2倍,メモリの速度は5倍で,性能は7倍になっているとのことです。

  EC2のインスタンスは,汎用のM6,計算主体のC6,大容量メモリのM6インスタンスがあり,M6gは1-64CPUでメモリは256GB,C6gは1-64CPUでメモリは128GB,R6gは1-64CPUでメモリは最大512GBとなっています。そして,M6gdのようにdが付いたインスタンスはNVMeのローカルストレージが付き,25Gbpsのネットワークバンド幅とElastic Block Storeに最適化された18Gbpsのポートが付きます。

  AWSは現在M6gインスタンスをプロダクションではないワークロードを流してテストしている段階で,2020年になればGraviton 2インスタンスの提供時期などを発表できるとしています。

3.AWSが最大2000TOPSの推論用のinf1インスタンスを発表2.AWSがGraviton 2 CPUを使うarm互換のEC2インスタンスをプレビュー

2.AWSがGraviton 2 CPUを使うarm互換のEC2インスタンスをプレビュー   2019年12月4日のThe Registerが,Amazonがre:inventで,推論用のinf1を全てのEC2インスタンスで提供を開始すると発表したと報じています。inf1は,Amazonが開発したInferentiaという推論チップで,一つのバーチャルマシンは最大16個のInferentiaチップを使用できます。この場合の計算能力は最大2000TOPSとなります。

  inf1インスタンスは,NVIDIAのT4 GPUを使うG4インスタンスと比較すると,スループットは最大3倍でコストを40%低減できるとのことです。

  AmazonのInferentiaチップは,FP16,BF16とINT8での計算をサポートし,最大128TOPSの演算性能を持っています。ただし,Inferentiaチップは学習済みの画像認識や顔や声のモデルを実行する推論用で,モデルを学習させるためにはGPUなどが必要です。

  

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