最近の話題 2020年5月23日

1.2020年6月のStudent Cluster Competitionはディジタル開催

  2020年5月20日のHPC wireが,2020年のISCではStudent Cluster Competitionが開催されると報じています。しかし,ISC 2020と同じく,こちらもディジタル開催となります。

  そして,クラスタですが,従来のように30kWの消費電力であれば,後はスポンサーがお金を出してくれれば,どのような機器を使っても良いというのではなくて,CPU側のノードは普通の24コアのXeon E5 CPUのサーバで,それに8個のV100 GPUを使うNVIDIAのDGX-1ノードが付きます。

  このシステムはシンガポールのNational Supercomputer Centerが提供し,各チームはリモートでログインして使うことになります。

  このようにCPUとGPUは同じハードウェアを全チームが使うことになるので,HPLやHPCGのようなベンチマークを実行してもほぼ同じスコアになってしまうので,今回の課題は,全てアプリケーションの実行で,チューニングの良し悪しで勝負が決まることになるそうです。

  各チームは例年のように会場の一角に設けられた各チームのブースで課題を実行するのではなく,6月1日~24日の期間にそれぞれのチームの学校などでリモートログインで実行を行い,結果を主催者に提出するという形式になるとのことです。

  ディジタル開催ですが,6月24日には表彰式も行われるそうです。

  日本からのチームの参加は今年もありませんが,今年は米国からの参加チームもありません。中国も清華大 1チームだけで,アジアでは合計4チーム,ヨーロッパが6チーム,南アフリカが1チームという顔ぶれで争われます。

2.IBMが大量レイオフか

  2020年5月22日のThe Registerが,IBMが大量レイオフを計画していると報じています。Global Technology Service部門は40%の削減,Global Business Service部門は25%の削減という報道もあります。さらに,Watsonを使うAI部門やStorageやPOWERの部門でも削減があるという話があります。

  レイオフの目的は不採算部門を縮小し,売り上げの伸びているクラウド部門への集中を強める組織を作り,また,コストを削減するためと考えられます。

  レイオフされる人たちは,医療保険は2021年の6月まで,解雇通告は30日前で退職時の支払いは給与90日分とのことです。

  現在のところ,まだ,IBMは当局への大量レイオフの届を提出してはいません。

3.HPEは給与カット

  2020年5月22日のThe Registerが,HPEは少なくとも$1Bの費用削減を行うため,給与削減などを行うと報じています。

  コロナウイルスの影響で,サプライチェーンが乱れて部品不足で完成できない在庫が積み上がり,不安定な経済で顧客も買い控えで,この四半期の売り上げは前年同期比で16%の減少,1株利益は昨年同期は$0.42であったのが,今年は$0.22とほぼ半減という状況です。

  これに対して,HPEは7月1日から(会計年度の終わりの)来年1月末までの間,給与カットを実施します。社長や上級幹部は25%~20%のカットで,給与の高い人ほどカット率も高くなります。

  また,コロナ後は最大50%の従業員がテレワークになり,今のオフィスに戻ってこないと予想されるので,オフィスも減らして費用の削減を考えているとのことです。

4.GMのロボタクシーを開発しているCruise Automationが160人を解雇

  2020年5月18日のThe Registerが,GMの自動運転システムの開発子会社のCruiseが約160人の従業員をレイオフすると報じています。Cruiseは2019年には自動運転タクシーを実用化す計画だったのですが,予定通りに開発は進まず,計画の変更が必要になっています。

  遅れに加えて,コロナによる経済の悪化から,資金が不足しており,全体の8%の従業員を削減するというものです。


inserted by FC2 system