最近の話題 2020年9月12日
1.Microsoftが廉価版のXBOX Series Sを発売
2020年9月10日のThe Registerが,MicrosoftはXBOX Series Xの廉価版のSeries Sの発売を報じています。
Series Xは$499ですが,これより$200安くなっています。基本的には同じゲームを遊べるのですが,Series Sには光学ドライドライブがなく,筐体も小さくなっています。
どちらも4コアのAMDCPUを2個搭載していますが,Xの方は3.8GHzクロックであるのに対して,Sは3.6GHzと少し遅くなっています。大きな違いはグラフィックスの方で,Xは1.825GHzのデュアルCUを52個搭載しているのに対して,Sは1.565GHzクロックでデュアルCUは20個しか搭載されていません。また,RAMもXは16GB搭載ですが,Sは10GBです。
そして,Xは1TBのSSD搭載ですが,Sは0.5TBのSSDで,先に書いたようにBlue-Rayはついていません。
GPUのデュアルCUが20個とXの半分以下となっているので,1440pならOKですが,4Kでゲームをプレイするのは苦しい感じです。
2.MicrosoftがHot Chipsで次世代ゲーム機XBOX Series Xを発表
2020年8月17に開催されたHot Chips 32において,Microsoftは次世代ゲーム機XBOX Series Xのシステムアーキテクチャを発表しました。
AMDのZen2アーキテクチャのCPUコアを合計8個搭載し,クロックは3.8GHzとなっています。使用する半導体プロセスはTSMCのN7のエンハンスされたプロセスです。チップサイズは360.4mm2で15.3Billionトランジスタを集積しています。
ダイフォトを見るとチップの半分強がGPUのように見えます。GPUのシェーダーの演算性能は12TFlopsとなっています。
ダイコストですが,2013年のXbox Oneを基準の$とすると,2016年にXbox One Sは$-と安くなったのですが,2017年のXbox One Xは$+で高くなり,今回のXbox Series Xは$++と大きくコストアップになっています。2017年には16FFプロセスで6.6Bトランジスタだったのですが,Series XはN7eプロセスで15.4Bトランジスタと集積度が大幅に向上していますから,やむを得ないところでしょうか?
GPUのブロック図には7×4(28個)のデュアルCUが描かれていますが,CU数は52となっており,4個のCUは不良救済の冗長ユニットになっているようです。
デュアルCUは4つのSIMDユニットを持ち,各SIMDには32個のFP32のFMAD演算器が入っています。Series Xはレートレーシングのハードウェアアクセラレータを持ち。CUあたり,毎クロック4レイをトレースできます。これは380G/sec ray-boxのピーク性能で,95ray-triピーク性能となります。
また,また,推論でシェーディングを補完するという機能も持っているようです。
また,Series Xは可変レートシェーディングをサポートしています。
3.IntelはTiger Lakeを発表したと言えるのか?
2020年9月2日のSemiAccurateが,IntelのTiger Lakeの発表は,価格や発売時期も明示せず,公表したベンチマークはIntelに有利な偏ったものばかりであり,正式なTiger Lakeの発表とは言えないと書いています。
独立の情報筋によると,大部分のベンチマークでTiger LakeはAMDの4800Uに負けているとのことです。
また,OEMからの情報によるとTiger Lakeチップの供給は100万個単位で不足で,Intelの10nmプロセスの歩留まりが十分ではないことを疑わせます。また,ウエファスタートも非常に少ないようだそうです。
4.今年のSC20はバーチャルで11月9日から11月19日に開催
SC20のプログラムが発表されました。時節柄,他のカンファレンスと同様に,バーチャル開催ですが,大きく異なるのは,チュートリアルが11月9日,10日の2日間,ワークショップが11月11日から13日の3日間,本会議が11月16日から19日の4日間で,展示が11月17日から19日の3日間で,全体では11月9日から19日の合計11日間という長丁場の日程となったことです。
会期は長くなったのですが,元々,発表の数が多い学会で,今回のプログラムでもTrack 8まである並列セッションの日程になっています。なお,セッションの始まりは朝の10時頃ですが,プログラムに書いてある時間は東部標準時間(EST)です。