最近の話題 2021年1月23日

1.Intelの2020年4Qの売り上げは1%ダウンだが純利益は15%ダウン

  2021年1月22日のThe RegisterがIntelの2020年4Qの売り上げは,前年同期比で1%のダウンですが,純利益は15%ダウンと報じています。

  通常,業績発表は株価に影響を与えないように,証券取引所が閉まる時間に行われるのですが,今年は,決算書類が盗まれて,予定時刻より前に公開されたことが判明したとのことで,証券取引所が閉まる前に正式発表が行われました。

  2020年Q4の売り上げは$20Bで,これは前年同期比で1%ダウンですが,アナリストの予測した$17.5Bと比べると素晴らしい決算です。純利益は$5.9Bで,こちらは15%ダウンです。しかし,COVID19にも拘わらず2019年と同じ利益を生み出しています。

  ということで,Intelの業績は非常に安定しています。ただ,Data Center Groupは経済の停滞とAMD Epycの侵食などで,売り上げが前期比20%減となっています。しかし,不揮発性メモリは売売り上げ23%増,PC部門も8%増で,データセンタ部門の落ち込みを補っています。

2.Intelの7nmプロセスの問題は解決

  2021年1月22日のThe RegisterがIntelの決算発表の場で,次期CEOとなるPat Gelsinger氏と退任するBob Swan現CEOが,Intelの7nmプロセスは欠陥のために遅れていたが,問題は解決したと発表しました。しかし,一部の製品についてはTSMCやUMCなどに外注することを明らかにしました。ただし,何を外注するかは2月15日に明らかにすると述べており,これはGelsinger氏が正式にCEOになる日です。

    7nmプロセスの歩留まり問題は解決したのですが,製造コストが上がり,将来の利益に影響を与えるとも述べています。

 しかし,Gelsinger氏は,2023年ころには,大部分の製品はIntelのファブで製造されると述べました。

3.上海のTianshu Zhaoxin Semiconductor Co.が7nmプロセスのチップを発表

  2021年1月22日のHPC Wireが上海のTianshu Zhaoxin Semiconductor Co.という会社が中国初の7nmチップを発表したと報じています。Big Islandと名付けられたこのチップは,2.5DCoWoSテクノロジでマルチチップを接続し,全体では24Bトランジスタを集積しているとのことです。Tianshu Zhaoxinはファブレスメーカーで,どこで製造しているかは発表していません。しかし,技術からしてTSMCと思われます。

  Big Islandは16bit浮動小数点演算では147TFlopsの演算性能をもち,FP32やBF16もサポートしています。Tianshu Zhaoxinは,このチップの用途として,AIを使ったビデオ処理や自動運転などを用途にあげています。

 Tianshu Zhaoxinは2013年に上海市政府と台湾のVIA TechnologiesのJVとして設立されたとのことです。台湾のVIAはともかく,上海市政府が入っていて米国の輸出規制に引っかからないのでしょうか?

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