最近の話題 2021年7月17日

1.Windows 10の寿命が延長される

  2021年7月16日のThe Registerが,MicrosoftがWindows10の21H2アップデートを出すと発表したと報じています。これまでの発表ではWindoes 11の動作には第8世代のコアCPUが必要と発表されていました。第8世代のコアCPUの発表は2017年9月ですから,その直前に第7世代のCPUを搭載したPCを買ったユーザは,4年前に買ったPCでは最新のWindows 11が使えず,古いWindows 10を使い続けるということになってしまいます。最新ではなくなったWindows 10で何時までOSのバグ修正が行われ,セキュリティーソフトが使えるのか分かりませんが,第7世代とそれ以前の世代のCPUではセキュリティーが保証されなくなるのも時間の問題と言う気もします。

  しかし,このニュースは朗報で,Windows 10の21H2アップデートが出るということは,MicrosoftはWindows 10を少なくともあと5年はサポートを続けることを意味しており,バグやセキュリティー欠陥の修正などは続けられることを意味します。

  もちろん,Windows 10では,Windows 11で追加された新な機能は使えませんが,セキュリティー機能が古いWindows 7のパソコンを使い続けるような危険な事態にはならないことになります。

2.TSMCが日本のFab建設を検討中

  2021年7月15日のEE Timesが,日本国内に半導体のFabを建設するかどうかを検討していると報じています。3D実装などの研究開発施設を日本国内に作ることは決まったようですが,これまでは半導体の前工程のFabを作るという話はでていませんでしたが,TSMCは前工程のFabを作ることのメリット,デメリットなどを検討しているとのことです。

  しかし,最先端の5nmやその先の微細化したFabを台湾以外につくることは効率が良くないと述べており,作るとしても10nmを超えるサイズの最先端ではないFabになるようです。

3.IntelがGlobal Foundriesの買収を検討か?

  2021年7月15日のWall Street Journalが,事情に詳しい関係者の発言として,Intelが$30BでGlobal Foundriesの買収を検討していると報じています。ただし,Global FoundriesはIPOで資金調達するという動きを見せており,買収が成功するかどうかはわかりません。

  また,Intelの買収の話があるとしてもGlobal Foundriesの役員には話はいっておらず,話があるとすればアブダビのMubadala Investment Co.のマネーの話として進んでいるのかもしれません。

  Global Foundriesは元々は,AMDの社内のFabであったのですが,AMDにお金が無くなり,AMDとIBMのFabをアブダビ政府の投資会社であるMubadalaに売却して現在に至っています。ただし,Global Foundriesの開発も当初の計画通りには進んでおらず,IBMがGlobal Foundriesを訴えるという状態になっています。

  Global Foundriesはニューヨーク,マレーシア,欧州にFabを持ち,米国政府としては補助金を出しても入手したいというような情勢ですから,Intelに加勢してGlobal Foundriesを買わせるということになるかも知れません。

  

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