最近の話題 2021年7月24日

1.Helion Energy社の6世代目の核融合炉が重要マイルストーンを達成

  2021年7月20日のEE Timesが,米国のHelion Energy社のTrentaと呼ぶ6世代目のプロトタイプ核融合炉が,1億度を達成し,16ヵ月の信頼性テストを終了し,耐久性を証明したと報じています。Trentaのサイズは長さ40フィート程度で,発電コストは火力発電と同等程度と言う見込みだそうです。

  この核融合炉は重水素とヘリウム3を燃料とするパルス動作をする小型の核融合炉で,従来の原子炉のような暴走を起こすことは無く,故障すれば止まるだけとのことです。また,核融合反応では,半減期の長い核廃棄物は作られないとのことです。さらに,原子炉のようにプルトニウムが作られることはなく,核爆弾が作られるという心配もありません。

  太陽光や風力発電は,発電量が天候などに左右されるという問題がありますが,このような核融合炉は一定出力で運転するベースロードとして使えます。

  このようなPulsed Magnetic方式の設計が可能になったのは,高速のエネルギー投入ができる半導体スイッチができたからとのことです。


2.Intelのデータセンタビジネスは4Qに$300Mの損失計上か?

  2021年7月22日のThe Registerが,IntelのHPCビジネスは$300Mの損失を計上すると書いています。Intelは,その原因を明らかにしていませんが,The Registerは,アルゴンヌ国立研究所のAuroraスパコン関係の損失であろうと推測しています。

  IntelとArgonne国立研究所との契約がどうなっているのか分かりませんが,IntelはAuroraスパコンをどんな形に持って行こうとしているのでしょうね。Gelsinger CEOはHPCは将来性があると言っており,HPC止めるとは考えにくいのですが,どこへ向かおうとしているのでしょうね。


3.Googleが量子ビットのエラー率を1/100に改善

  2021年7月19日のHPC Wireが,IEEEのSpectrumの記事をひいて,Googleが54qubitのSycamoreプロセサを使ってエラー率を1/00に低減したと報じています。

  Sycamoreは54個のSuperconducting transmon Qubitと88個のチューニングできるカプラーから作られています。Qubitの動作レンジは5GHz~7GHxとのことです。そあいて,カプラーは0MHz~40MHzでチューニングできるとこのとです。

  そして,冗長Qubit数を5から21に増やすことによって,エラー率を1/100に抑えたとのことです。そして,2次元のサーフェスコードを使って,少数のLogical Qubitの追加することでエラー検出ができる方法を考案したとのことです。

  


  


  

  

inserted by FC2 system