最近の話題 2021年9月25日


1.CerebrasがWafer-Scale Engineのクラウド提供を開始

  2021年9月16日のHPC Wireが,CerebrasがWafer-Scale Engineをクラウド提供すると報じています。CS-2を1台借り切ると1週間で$60,000とのことです。

  しかし,購入する前にトライしてみたいと考えるのは当然ですが,大部分の顧客は,CS-2のような大きなマシンを動かすスキルを持っていない場合が多いので,Cerebrasのクラウドでは,顧客が試してみたい規模のクラウドをクラウドサービス提供業者のCirrascaleと組んでクラウド提供するという形態をとっています。

2.液冷機器のメーカーのAsetekがHPCから撤退

  2021年9月22日のHPC WireがデンマークのDirect Liquid Cooling機器のメーカーであるAsetekがHPC分野からの撤退を発表したと報じています。なお,HPCからは撤退し,データセンター分野に注力するとのことです。

  Asetekは,HPC冷却器のビジネスは赤字で,これを止めてデータセンタビジネスを守ると言っていますが,ライバルメーカーのCoolITはHPC分野の冷却ビジネスは伸びており,HPCが伸びていないというのはAsetekのビジネスが負けているからではないかと見ています。


3.MLCommonsがML Perf Inference v1.1を発表

  2021年9月22日のHPC WireがMLCommonsのInfrerece v1.1の結果の発表を報じています。今回もNVIDIAが上位の結果を独占しているのですが,今回のV1.1の特徴は,x86がInferece v1.1ではかなり良い結果を出している点とarmがデータセンタで良い結果を出している点です。

  また,ホストCPUをInferenceに使うというのも目立った動きで,それほど高い推論性能は必要ない場合はホストを使う方が安上がりというようなケースはx86などが使われるという傾向が目立ちます。IntelはML用の命令強化でこのあたりの需要を取り込んでいます。

  今回のV1.1では20団体から1800件の測定結果が提出され,350以上の消費電力の測定結果が含まれているとのことです。


4.3大学が協力して再構成可能なスパコンのプロトタイプを開発

  2021年9月23日のHPC WireがTexas A&M,UIUC,UT Austinの3大学が協力して,NFSからの研究費で再構成可能なスパコンのプロトタイプを開発すると報じています。NFSからの研究費は5年間で$5Mで,これに5年間の人件費などで$5Mが加わります。

  ACES(“Accelerating Computing for Emerging Sciences”)と呼ばれる研究は,Liqid社の構造可変のフレームワークを用いて20台以上のアクセラレータを接続できるようになっており,IntelのFPGA; NEC のVector Engines; NextSiliconのco-processors; GraphcoreのIPUs (Intelligence Processing Units); やIntelのPonte Vecchio GPUなどを接続し,OptaneメモリとDDNのLustreストレージをMeranoxのNDRで接続するとのことで,記事にはアクセラレータのスモーガスボードと書かれています。

  多種のアクセラレータが接続されており,色々な構成がトライできるのはその通りでしょうが,使いやすいものができるのでしょうか?20種のアクセラレータのプログラムを書くだけでも容易ではない気がしますが。


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